「自分を高く評価してくれる上司」を作る3ステップ
がんばっているし、それなりに結果も出しているのに評価されない。同期との差がどんどん開いていく。会社側から評価される立場の会社員にとって、自分への評価に対する悩みはつきものだ。
人事評価において結果は大事だが、それ以外にも影響する要素が上司だ。一般的に上司が評価を行い、その上司も人であり、感情がある。そうである以上、どんな上司からも、評価される技術が必要なのだ。
◾️「自分を高く評価してくれる上司」を作る3ステップ
『評価される人になる技術』(岡田洋介著、ぱる出版刊)では、1万枚もの評価シートを指導してきた元エン・ジャパンの人事評価コンサルタントの岡田洋介氏が、自分の価値を適切に会社や上司にアピールする方法を紹介する。
できる上司は、部下のモチベーションの取り扱いが上手く、他人の承認欲求の満たし方も上手い。変に威張ったりせず、人間として不足があるのは当たり前というスタンスで部下とも接することができ、人間的なやりとりができる。一方、できない上司は、承認欲求の満たし方が下手だ。部下のためではなく、自分の承認欲求を満たすために動いてしまう。部下や他者に対して自分のポジションを利用して命令したり、マウントを取ったりするなど、高圧的な態度をとる人が多い。
では、自分の上司ができない上司だった場合、どうすれば高く評価されるようになるのか。そのためには3つのステップがある。
ステップ1.上司の嫌なところをリストアップする
「すぐに命令してくる」など、まずは上司の嫌なところを5個から10個ほど、紙に箇条書きする。多ければ多いほど、この方法は効果的になる。
ステップ2.リストアップした行動にポジティブな意味付けをしてあげる
「すぐに命令してくる→責任感が強く、迅速に対応したいと思っている」というように、ステップ1でリストアップした上司の嫌なところ、ネガティブな部分をポジティブな言葉に書き換える。
ステップ3.肯定的な言葉を上司に伝える
上司が実際にその行動を起こした際、書き換えたポジティブな言葉を口にして、上司へのフィードバックをする。このとき重要なのは、「細かいところまで自分たちのことを見てくれて嬉しいです」というような自分が感じた気持ちも添えて伝えること。
この3つのステップは、上司のことを理解するという姿勢を見せるための取り組みとなる。誰も近づいてこない上司だからこそ、部下から上司に寄り添う姿勢を持ち、肯定的なフィードバックをすることで、上司の印象も良くなり、結果として周囲の人たちより贔屓される存在になることができるのだ。
著者の岡田氏は、「評価は手段」だと捉え、その場の評価に一喜一憂するのではなく、評価と良い距離感で向き合うことが大切と述べる。主役は自分であり、自分自身の目標や夢を叶えていく上で、上司からの応援も必要になる。本書から評価される技術を身につけて、日々を送ってみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)