管理職が知るべき「Z世代」との正しい付き合い方
管理職やリーダーになり、1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれたZ世代と呼ばれる部下を持ったはいいが、どういう仕事観で仕事をしているのか、何を考えているのかが掴めず、どのようにコミュニケーションをとったらいいのかわからないという悩みを抱えている人は多いだろう。マネジメント層は、Z世代とどのようにコミュニケーションをとり、仕事を教えればいいのか。
◾️「背中を見て学べ」「習うより慣れろ」が通じない世代
『新しい教え方の教科書 Z世代の部下を持ったら読む本』(北宏志著、ぱる出版刊)では、元中学・高校教師で17000人以上のZ世代社員への指導実績を誇る研修講師、人材育成コンサルタントの北宏志氏が、Z世代特有の価値観やコミュニケーションのノウハウを解説する。
世代の違う若者たちと良い関係性を築くために重要なのが、丁寧な指導と教育だ。今マネジメント層になった人たちが若手の頃のかつての日本では、「背中を見て学べ」「習うより慣れろ」といった指導方法が一般的だった。けれど、今それが通用するかというとそうではない。マネジメント層は「見ていたら雰囲気でわかるだろう」という考えは改めるべき。なので、Z世代の考えに歩み寄り、一から十まで丁寧に指導・教育することだ。
もう一つ、マネジメント層がZ世代を指導・教育する際に陥りがちなのが、「これくらいは知っているだろう」という思い込みを持って接してしまうこと。マネジメント層からしたら当たり前のことであっても、Z世代にはその目的やルール、やり方を丁寧に指導・教育する必要がある。自分の常識は他人の非常識という意識を常に念頭に置く癖をつけなければならない。そして、「時間をかけて育てていくんだ」という覚悟が必要だ。
また、指示出しする際は、最初に伝えることを3つまでにし、簡潔に伝えること。そうすることで、何をすべきなのか、何が求められているのかを適切に理解できるし、ゴールも見えやすい。業務のゴールを想像しやすいよう、マネジメント層が意識的にコントロールすることが大切となる。
どの業界、会社でも、今マネジメント層に求められているのは、Z世代の考えを理解し、パフォーマンスを高めることだろう。「何を考えているかわからない」と言っていても、組織やチームは円滑に運営できない。マネジメント層も今の時代に合った部下の指導方法を学ばなければならない。本書から具体的なノウハウを学び、実践してみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)