人間関係のストレスを減らすシンプルで効果的な方法
職場や家族、友人との人間関係、電車や街中で遭遇した不快なことなど、現代社会はストレスを引き起こす要因に溢れている。イライラやモヤモヤをそのままにしておくと、ストレスは溜まっていく一方。心身ともに健康に過ごすためにも対処法は身につけておいた方がいい。
◾️人間関係のストレスを減らすシンプルな方法
『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(内藤誼人著、明日香出版社刊)では、心理学者で立正大学客員教授の内藤誼人氏が、世界中の心理学の知見をもとにストレスが軽くなる考え方や生活習慣、手軽にできる気分転換のコツを紹介する。
ストレスの原因にはいろいろあるが、ストレスの一番の原因は人間関係だろう。どうすれば人間関係を円満にできるのか。その解決法は、いつでもニコニコと微笑んで、愛想よく過ごすことだという。
シカゴ大学のウェンディ・レヴィンソンは、プライマリーケアの開業医59名と外科医65名、それぞれ1人につき10人とのやりとりを録画。次に患者からのクレームをつけられたことが一度もない医者と、2回以上クレームを言われたことのある医者の2つのグループに分けて、患者とのやりとりを分析した。その結果、患者と好ましい関係を築いていて、一度もクレームをつけられたことがない医者は、診察中によく笑い、親切にし、相手にたくさん話をさせる、という特徴があることがわかった。
とにかく微笑んでいれば、医者と患者との関係はうまくいくということだ。医者と患者の関係に限らず、どんな業界で、どんな仕事をしている人でも、普段からニコニコして人と接するようにしておけば、人間関係でトラブルは少ない。いつも笑顔でいることで、人間関係のストレスも減らせるのだ。
また、人の感情は、一緒にいる人によって変わる。ネガティブな感情を持っている人のそばにいると、自分まで不安を感じるようになってしまう。
ニューヨーク州立大学ストーニーブルックリン校のリリアン・ムジカ・パロディは、スカイダイビング未経験の人に上空4キロからダイビングをしてもらい、地上に降り立ったところでその人が着ていた肌着についた汗の匂いを、別の判定者に嗅いでもらうという実験を行った。この恐怖を感じ、冷や汗をかき、ストレスホルモンが含まれた肌着の匂いを嗅ぐと、自分がスカイダイビングをしたわけでもないのに、匂いを嗅いだ人も恐怖を覚えることがわかった。脳を調べると、恐怖の感情を引き起こす扁桃体が活性化することもわかった。この実験から、恐怖は人から人へ伝染することが明らかになったのだ
人の感情は人から人へと伝染していく。なので、ポジティブな感情を持っている人と付き合うほうが、自分もポジティブになれるということだ。
人と関わったり、社会で生活する以上、ストレスを完全に無くすことは不可能だろう。なので、ストレスとうまく付き合っていく方法を本書から身につけてはどうだろう。そうすることで、日々の生活も快適になるはずだ。
(T・N /新刊JP編集部)