目標やアイデアを「後回し」にせず実行するための「技術」とは
自分で立てた目標、思いついたこと、とっておきのアイデア。
こうしたことをつい後回しにしてしまってはいないだろうか。
一歩踏み出せば世界が広がることは分かっている。でもその場にとどまっている。そういった人たちに足りないのが「実行力」だ。いくら良いアイデアを持っていたとしても、それを実行しなければ形になることはない。
逆にいえば、行動をすればするほど成功に近づくことができる。
韓国でベストセラーとなった『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』(イ・ミンギュ著、吉川南訳、文響社刊)では、成果は「力量×実行力」で決まる、としたうえで「実行力は資質ではなく技術だ」と述べている。
つまり、後回しをせずに実行することは、学んで練習すれば誰でもできるということだ。
■スケジュールは逆算して決める
本書では実行力を「決心」「実行」「維持」という3段階に切り分けて考えている。
最初の決心の段階では、実行するためにどんな準備が必要かが述べられている。
その一つが「逆算スケジューリング」だ。自分がなりたい状態になるためにスケジュールを立てることは大事だが、このときに必要なのは未来を起点に逆算し、今すべきことを選択することだ。
現在起点でスケジュールを立ててしまうと、一つ遅れが発生すると心のすきがどんどん生まれてしまう。重要なことよりも急ぎの用を選んでしまうこともあるだろう。しかし、逆算でスケジュールを立てれば、今すべきことの選択の幅はぐっと狭まる。また、誘惑を振り切るのも簡単になると著者は述べる。
ビジネスで成功する人は、目標ができるとまず最終的な締め切りを設定するという。自分の行動を振り返ってみて、立てたスケジュール通りに進むことが少ないという人は、「逆算」を意識してみるといいだろう。これはビジネスやキャリアだけでなく、健康管理や人間関係など、あらゆる場面で活用できる。
■何かを始める最適なタイミングは「今」である
「決心」の後に来るのが「実行」の段階だ。
固く決心したはずなのに、すぐに後回ししてしまう。著者はその理由として、心の中に「実行したくない」という強い動機が隠れていることを指摘する。
「もうすぐ新年だから」「もうすぐ記念日だから」と特別な時間や日まで決心を先延ばしにしてしまってはいないだろうか。これは、内心では変化したくないと言っているのと同じだと著者は述べる。
新たなスタートに「完璧なタイミング」はない。始めるにもっとも適したタイミングは「今日」であり、「いま」である。成果を上げ続けている人は、決心をただちに行動に移す「行動志向性」を持っている。あれこれ考えずに今すぐに目標に関係した何かに手を付けることが大事なのだ。
「しようかどうしようか」と迷うときが、やってみるベストタイミングだと著者は背中を押す。もし大きな目標があるのなら、今このときがスタートのタイミングだと考えよう。
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そして本書は3つの目の段階である「維持」に続いていく。「準備」「実行」には、ほかにもさまざまな「後回しにしない」メソッドが説明されており、この本を読んですぐに実行できるようになっている。
人生に変化を起こしたいと願っているのであれば、自ら実行して変えなければいけない。でもなかなかその一歩が出ない。そんな人にとって本書は大いに参考になる一冊だ。
(新刊JP編集部)