仕事をシンプルにする力を磨く4つのポイント
できるリーダーとできないリーダーの違いはどこにあるのか。
優秀なリーダーには、自分や自分のチームの仕事をシンプルにする力がある。高度情報化時代において、いかに自分や自分のチームがやるべきことを厳選し、部下に適切な指示を与えてチームを成功に導くかが、リーダーの役目だ。
『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』(三笠書房刊)は、花王で開発され、課題解決コンサルタントの阿比留眞二氏が独自の改良を重ねた「仕事をより少なく、しかしより良く」するためのマネジメント法を紹介した一冊だ。
■仕事をシンプルにする力を磨く4つのポイント
仕事をシンプルにする力を養うためには、まず「捨てる力」を身につけないといけない。現代は高度かつ複雑な情報化社会であり、「捨てる」という発想がないと情報に溺れてしまう。
個々人が処理可能な量をはるかに超える情報が溢れかえっているため、本当に必要な情報を厳選し、やるべきことのみに集中しなければ結果は出せない。リーダーには、情報の要・不要の判断ができる力が不可欠なのだ。
また、仕事をシンプルにする力を磨くには、4つのポイントがある。
1.感情の波を小さくする
リーダーは感情をコントロールできなければいけない。そのために感情の波をできるだけ小さくすることが大事だ。感情に波があると、思考の軸がブレてしまう。思考の軸がブレる人は、戦略を明確にできず、仕事を複雑化させ、無駄な動きや指示が多くなるという。心をニュートラルにしておくようにしよう。
2.立ち止まる
できるリーダーは、どんなに忙しくても仕事全体の進捗状況を確認するための時間を確保し、仕事を効率的に進められているかを何度も繰り返しチェックする。そのためにも立ち止まる習慣をつけることが重要になるという。
3.長期的な視点を持つ
大きな結果は、長期的な視点で戦略を立てて、短期的な視点で戦術を遂行していくことで得られる。この長期的な視点は「私が社長だったら」と自分より上位の人の視点で物事を考えることで持つことができる。自分の上位の人が考えていることを把握し、ゴールを見定め、そのゴールに辿り着くために自分は何をすべきか、部下をどう動かすのか、合理的な手を考える。
4.社内の人間と戦わない
社内のライバルは敵ではなくあくまでも「好敵手」。ライバルに勝つことばかりを意識するのではなく、「あの人に比べると、自分はここが劣っているから克服しよう」というように、自分がリーダーとして成長するためにライバルを活用することが大事だ。
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リーダーになると、自分のことだけでなく、チームのこと、部下のことなど、やるべき仕事が増える。目の前の仕事に忙殺されてしまうことがないように、本書から仕事をシンプルにする力を身につければ、リーダーとしても成長できるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)