デキない人がやりがちな5つの残念な仕事の進め方
仕事をスムーズに進め、成果を出すことができる人がいれば、仕事の進捗が停滞しがちで、評価も信頼も得られない人もいる。
そんな「仕事ができる人」と「仕事ができない人」の違いはどこに生まれるのか。
戦略コンサルタントの田中耕比古氏は、著書『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の中で、「仕事を進める順番」に違いが生まれるとしている。
仕事ができる人は、始める前に「しっかりと考える」ということをする。資料作りもいきなりパワーポイントを開くのではなく、思考を整理し、ノートにまとめてからパワーポイントを開く。どのように物事を進めていくかを考えてから、行動に移すのだ。
その一方で、仕事ができないと思われてしまいがちな人は、次の5つの残念な進め方をしてしまっている可能性がある。
(1)自分の理解だけで仕事を進める
自分の感覚ややり方に固執し、自分の思うがままに進めようとする。しかし、それでは相手の求めていたものとまったく違う結果になってしまいがちだ。仕事には常に相手がいる。その相手の意向や考えを理解しないと、狙い通りの結果には辿り着かない。
(2)とりあえず進めてみる
今、自分が進めようとしている仕事のゴールまでたどり着くにはどうすればいいのか。それを考えずにとりあえず始めてみて、うまくいかなければ少し戻ってやり直す。このやり直し作業は「手戻り」といい、仕事の効率を低下させる要因になる。
「手戻り」をできるだけ減らし、最小化することが、チーム全体の効率を上げる有効な打ち手であると田中氏は述べる。
(3)作業時間を見積もらない
「納期」は仕事にとって最も大事なものだと田中氏は考える。この「納期」「締め切り」を守ることは、仕事の「基本のキ」。だからこそ必要になるのが、作業時間の見積りだ。
「ちゃんと納期に間に合いそうか」を精度高く理解し、「間に合わない」ことを防ぐ。納期が守れなければ、周囲からの信頼は得られない。
(4)終わった仕事を振り返らない
仕事が終わったら、切り替えてすぐに次の仕事へ。しかし、それでは成長につながらない。一つの仕事が終わったらしっかりと「振り返り」をして、何が悪かったのか、次にミスが起きたらどのように防ぐか、などを突き詰めて考えることが大切だ。成功したときも同じ。振り返りは、成果の再現性を高めることにつながる。
(5)教えられた手順を守らない
物事には正しい手順がある。仕事もそう。それを具現化したのが、会社や組織にあるマニュアルだ。時には非効率だと思う手順もあるかもしれないが、初めて取り掛かる仕事であれば、マニュアルに従ってやってみることが大切だ。最初から「型」を無視するのは効率の悪いやり方。「守破離」をしっかり意識すべきだろう。
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この春から新しい環境で仕事を始めるという人もいるはずだ。その時に最初から自分流で進めようとせず、まずは基本の「型」に立ち返ることが信頼を得るために大切なことだ。
本書では「GRAPH」という仕事を進める基本の型をベースに、仕事の効率や生産性を上げる方法を著者が伝授してくれる。これから初めての仕事に挑む人に、そして、基本に立ち返りたい人にとって参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)