だれかに話したくなる本の話

危機にある日本の醤油作り 立ち上がったのは…

『巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ』(竹内早希子著、岩波書店刊)

醤油や味噌など、日本の伝統調味料づくりに欠かせないのが、高さ約2メートル、直径約2メートルの巨大な木桶だ。ただ、日本固有のこの巨大桶をつくることができる桶職人は絶滅の危機。大桶づくりの技術が残せないかもしれないという。

そこで立ち上がったのが、桶専門の技術者や職人ではなく、醤油メーカーだった。「醤油屋が、木桶つくったら、おもろいやん」「木桶がいっぱい残っとる小豆島で、木桶をつくって、さらに木桶をどうやって残すか考えて、発信していけたら、めちゃくしゃおもろいやん」と、ヤマロク醤油の山本康夫さんが「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げ、最後の桶職人に弟子入りし、自分たちの手で技術を残すことに。

巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ

巨大おけを絶やすな! 日本の食文化を未来へつなぐ

しょうゆ、みそ、酒など、日本の伝統調味料づくりに欠かせない巨大な木おけ。日本固有のこの巨大おけを、つくれる職人がいなくなる! 「しょうゆ屋が、おけつくったら、おもろいやん!」――立ち上がったのは小豆島のしょうゆ蔵。最後の職人に弟子入りし、次々に降りかかる困難を乗り越えて、おけづくりの輪を全国に広げた奇跡の奮闘記。