泌尿器科医が教える 男性がより強い快感を得る方法
生物学的に男性として生まれた者なら、みな備えているのが陰茎であり、射精機能である。自分の陰茎も射精も、本人にとっては見慣れたもの。だからこそ、意外とこれらについてあまり知らないものかもしれないし、何か問題を抱えていても、人に相談しにくい。
そんな陰茎と射精について、『武士道』(新渡戸稲造)で語られている武士の魂である「刀」を、「陰茎」に置き換えて、その扱い方と扱う際の心構えを解いているのが、泌尿器科医の今井伸さんの著書『射精道』(光文社刊)である。
■武士の魂は「刀」 男の魂は「陰茎」
「射精道」の根幹は、本書によると3つある。
1.男性器には正しい扱い方がある
2.気持ちよく射精できるようになることが重要である
3.陰茎を使う上では、自他を守るために高い道徳観、倫理観が必須である。
その上で今井さんは、1と2が欠けると射精障害や勃起障害(ED)の原因となり、3が欠けると、性のパートナーとのコミュニケーションがうまくできなかったり、ひどい時には性犯罪の加害者になってしまうことがある、としている。性生活を充実させるために、そして自他に対して優しく紳士的にあるための射精道なのである。
■半勃起の状態で射精する大きすぎる弊害
射精は性的な刺激によって自然に起こりうるものだが、本書では「獲得することで手に入る技術」という立場も取っている。気持ちのいい射精を得るには知識と訓練が必要で、性に目覚める思春期はそのための期間でもある。
訓練とは、もちろんオナニーのこと。本書によると「オナニーは何回してもいい」。ただ、本番(セックス)のための訓練であるという視点は抜けてはならない。
たとえば、うつ伏せに横たわり、床に陰茎を擦り付けて快感を得る「床オナニー」という方法がある。この方法は完全に勃起しない「半勃起」の状態を維持することで快感が得やすいため、そのままの状態で射精する癖がつきやすい。
ただ、この癖のせいで完全に勃起した状態では射精ができなくなってしまう。そもそも半勃起の状態では性行為は困難である。セックスができなくなるような方法でのオナニーは本末転倒なのだ。
■「よい射精」はタイミングと我慢がポイント
あまり普段意識することはないが、気持ちいい射精は「タイミング」と「ある程度の我慢」が大切だ。
射精しそうになったら、肛門を閉めるようにすると、ある程度は射精を止めることができる。それを3回繰り返して4回目に「発射」するのが強い快感を得る秘訣。我慢しなかったり、我慢するタイミングがずれたりすると、快感は半減し、出る精液の量も少ない。
「出そうになるのを3回我慢して、4回目で出す」のをオナニーの時から練習すると、「よい射精」が身につき、早漏改善にも効果的だという。
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早漏・遅漏の改善から、より強い快感を得る射精、性のエチケットやアダルト動画との付き合い方、中高年以降の性、射精障害の克服などなど、本書では「射精」をキーワードに男性の性のあらゆる悩みへのアドバイスがされている。
大事なものなのに、なかなか他人に相談できないデリケートな問題である陰茎と射精。密かに悩んでいることがあるなら一読して損はない一冊だ。
(新刊JP編集部)