だれかに話したくなる本の話

実は結婚に向いている!「オタク」こそ婚活市場に乗り出すべき理由

2020年の日本人男性の50歳時の未婚割合は28.25%。2015年の調査では24.77%、2010年では20.14%というデータからも分かるように、未婚率は増加の一途をたどっている。さらにこれは男性だけでなく、女性にも同じ傾向が見られる。(*1)

結婚をしない理由は、傾向こそあっても個々人によって様々だろう。経済的な理由から諦めてしまう人もいれば、生活スタイルや人間関係の影響から結婚する選択肢を選ばないという人もいる。

ところが本当は結婚に向いているのに、自分から結婚を諦めてしまう人たちがいる。
それが「オタク」だ。

趣味に没頭していれば寂しくない。
異性を前にするとしゃべれなくなり、仲良くなる以前に躓いてしまう。
オタ活に力を注いできたため恋愛の経験値がない。

オタク婚活コンサルタントの横井睦智さんは、そんな「オタク」こそが結婚に向いている述べ、趣味を手放すことなくリアルなパートナーと永く幸せに暮らすことができるとしている。

■オタクが結婚相手としてうってつけである理由とは

「恋愛経験がないから結婚できない」と考えるオタクは少なくない。確かに恋愛経験が少ないと、異性との接し方やアプローチがギクシャクしたものになりがちだ。

しかし横井さんは「恋愛と結婚は別物」と一刀両断する。結婚は恋愛の延長線上にあるという価値観は新しいものであり、戦前は「お見合い結婚」がほとんどだった。また、最近は「婚活」が定着したが、これも結婚前提に異性と出会うという意味では恋愛と切り離されている。

また、オタクは結婚における3つの強い武器を持っている。
それが「安心・安全・安定」だ。

まずは一緒にいて「安心」できる人。最初のうちこそ緊張しがちなオタクだが、気持ちが打ち解けさえすれば何一つ文句を言わないため、女性からは自分をさらけ出しやすいという声があがる。つまり、無害で「器が大きい」存在なのだ。

次に、浮気やトラブル等を持ち込まない「安全」な人。横井さんが婚活コンサルタントとして活動してきたなかで、借金や浮気などのトラブルを抱えたオタクと出会ったことはほとんどないとつづる。オタクはトラブルを極力避ける傾向にあるため、「安全」を保証できるのだ。

最後に、「安定」した収入がある人だ。結婚生活で最も大事なものの一つであるお金。オタクは会社員や公務員の人が多く、定期的に収入があり、リスクや変化を嫌う傾向から職場に問題がなければそこで長く働くことを望む。

横井さんいわく、結婚に求められる3つの「安」を備えている人がオタクには多いという。「自分は結婚に向いていない」と考えるオタクも少なくないが、実は自分が「優良株」であることを認識できていないだけかもしれない。

■良い出会いは「理想の人」に縛られないのがコツ

自分の結婚相手としてのニーズの高さを実感できれば、結婚に対してもポジティブな気持ちになれるはず。そこで大切なのが、どのように相手と出会うか、だ。

出会いの場としては、結婚相談所や婚活系マッチングアプリといったものがある。相手も結婚を求めて登録をしているわけだから、関係をゼロから築いていくよりも話は早い。

ここで大切なことは、自分の理想を全開にしないこと。つまり、選り好みしないことだ。横井さんは「ご縁に対して、謙虚で真摯な態度でなければならない」とアドバイスする。

たとえばマッチングアプリの画面を開くと、さまざまな異性が出てくる。その中には自分のタイプと違う人もいるだろう。しかし、そうした人も実際に話してみると馬が合ったりするもの。次のような流れでアプローチし、自分からご縁を引き寄せていこう。

1回目:タイプの人に申し込む
まずは理想のタイプと思える異性に申し込もう。5人にアプローチをして、2人から受諾があればそのタイプは自分とマッチしている。

2回目:「話していいかな」と思える人に申し込む
1回目にマッチングできなかったら、「会話くらいはしてもいい」という人に申し込みをする。ここで5人中2人から受諾されれば、このタイプこそ自分とマッチしているということになる。

3回目:「苦手だな」と思う人に申し込む
それでもマッチングできなければ、苦手だと思う人までターゲットの範囲を広げる。

重要なことは、婚活市場における自分のポジションを見つけることだ。自分の理想とする人と、自分に興味を抱いてくれる人は異なる。
横井さんは、結婚相手を選ぶ際は「妥当と妥協」の折り合いをつけることが大切だと述べる。妥協し過ぎてもいけないが、いろいろな異性と出会う中で、結婚に「妥当」だと思える人を見つけることが婚活のコツなのだ。

 ◇

横井さんの著者『オタク婚活はじめます』(すばる舎刊)は、こうした婚活の心得から、実際に出会うためのプロフィール、身なり・マナー、交際中にやるべきことなどが網羅された一冊。

実は横井さん自身もオタクで、30歳になる前まで恋愛弱者だったそうだ。しかし、一念発起し、婚活をはじめ、30歳で結婚。オタク友だちから相談されるようになったという。そういう背景もあり、本書はオタクに寄り添った婚活の方法が書かれている。

一人の方が気楽でいい。趣味に没頭していれば寂しくない。でも、このままでいるのは不安…。そう感じたときがスタートだ。本書を参考にしながら、婚活をはじめてみてはいかがだろう。

(新刊JP編集部)

*1…「国立社会保障・人口問題研究所」ウェブサイトより
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=T06-23.htm

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