【「本が好き!」レビュー】『赤い十字』サーシャ・フィリペンコ著
提供: 本が好き!(この記事は、書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」レビュアーのぽんきちさんによる書評です)
ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ推薦!
「デビュー後すぐに“真剣な”文学作品を描きはじめた稀有な作家」
青年が引っ越し先のアパートで出会った、90歳の老女。
アルツハイマー病を患う彼女は隣人に、自らの戦争の記憶を唐突に語り始めた。
モスクワの公的機関で書類翻訳をしていたこと、捕虜リストに夫の名前を見つけたこと、ソ連が赤十字社からの捕虜交換の呼びかけを無視していたことーー
ベラルーシ気鋭の小説家が描く、忘れ去られる過去への抵抗、そして未来への決意。