【「本が好き!」レビュー】『どちらでもいい』アゴタ・クリストフ著
提供: 本が好き!オルガを読んでいると、アゴタを憶い二人がカブってくる、
人は生まれた国生まれる処生まれその事自体に関与することは出来ない、而も死ぬるまで活き続けなければならない、任期不明経緯不詳...単純で複雑、生れ出づる悩み、、
センテンスも短い、大きな悲哀がみえて一気には読みにくい、恰も星新一のショートショートのようなのもある、よくできているが、おや? っと感に時々出会う、
書きぶりは尋常ではない、行間余白を考えらさる、読み手を望んでるのか?
そう、悪童~昨日 とかのアゴタなのだと意識してしまって、悪く言えば...ああまたあからさまなウソなんだ、ウソの上塗りしてるんだなっとおもいつつ読むのだった、、
書くこととはウソであり、読む者もそれがウソと判っていることをアゴタ女史は知っている...まああどちらでもいいんだけど、
この嘘の世界を読んで、嘘の世界に拘わったこの証拠からアゴタのおもいを手繰りすることになります、
、、私は独り、年老いて、幸せに、我が家で過ごすだろう、
なんて悲しい人生だろうっとおもいつつよんでいた、、いや、これもウソなのだ、いやいや、そんなもんだよ 人の人生は、
世間の凡てがウソくさおもえて、自身はいつも孤独なのだなっと詩のように感じながらよんでいたらら、
はたっと、ああ でもそれはアゴタだけではない、私もそうであったなっと、おもいしらされた...そうなんだよなぁ、、
孤独は感染する、そして それは正しい、
嘘に囲われた内部を知っていたハズだ、
、、愛想のよい永遠の表情をうかべ彼らの影はかたまっているが、彼らの感じているものを誰が知り得よう? 、、外部がひとつの外部に囲まれていれば、ひとつの内部を包み込む内部が外部に変化するのと同様、疑う余地なくそれ自体がひとつの内部になるのだ (p.30)、
そりゃそうだ、我が国ではそれを不滅の「バカの壁」というのです、それは仕方ないことなのだ、
これら情況証拠からのアゴタはやはり尋常の感覚感傷ではない、市井にあってふつうの生活はしていても関心や気置きは其処に無く気置きもしていない、
心がそのまま秘密の園から出てくることはない or っと扮っている?
誰もアゴタを癒やすことも慰めることもできないだろうし、たぶんアゴダはそれを望んではいない、
明らかな嘘を訊きながら語られていない事を考えるべきかもしれない、そう余白を、、
今も昔もこのままで幸せなのだ、なのにこの絶望的孤独の思惑通りの喪失感は何なのだろう、私には分からない、敢えて曝け出す必要はなかろうに、
人ではなく物言わぬ町並みが好きらしい、ただの散歩が楽しい?飽きずに眺めていることが安心安寧なのだ、幸せだというのは本当だろうか、寝たきりの母のように終日天井を見ててよいのか?イソップのキツネと葡萄じゃねェの?
そうした記述を読んでいると此方が悲しくなる、可哀想なのではないが、よんでいて…どういうこと? とおもうことがたびたびあります、、どう言ったらいいのかな、
そう、どちらでもいい、のだ、
(レビュー:脳裏雪)
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