「ほめて育てる」は正解か ほめられると帰りたくなる学生たち
「できなかったことを叱るよりも、いいところをほめて育てる」という方針は、教育分野ではすっかり主流になった。
その影響で「叱る」のは、以前と比べるとずっと勇気のいる行為になり、反対に「ほめる」ことはずっと気楽なったわけだが、当の「ほめられる側」は、そのことをどう考えているのだろうか。
もちろん、どんな人にも承認欲求はあり、子どもでも大人でもほめられること自体はうれしい。しかし、「無条件に」というわけではない。『先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち』(金間大介著、東洋経済新報社刊)からは、大学教育の現場で起きている学生たちの意識の変化が垣間見える。