だれかに話したくなる本の話

「ほめて育てる」は正解か ほめられると帰りたくなる学生たち

「ほめて育てる」は正解か ほめられると帰りたくなる学生たち(*画像はイメージです)

「できなかったことを叱るよりも、いいところをほめて育てる」という方針は、教育分野ではすっかり主流になった。

その影響で「叱る」のは、以前と比べるとずっと勇気のいる行為になり、反対に「ほめる」ことはずっと気楽なったわけだが、当の「ほめられる側」は、そのことをどう考えているのだろうか。

もちろん、どんな人にも承認欲求はあり、子どもでも大人でもほめられること自体はうれしい。しかし、「無条件に」というわけではない。『先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち』(金間大介著、東洋経済新報社刊)からは、大学教育の現場で起きている学生たちの意識の変化が垣間見える。

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち

ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……。今、こんな若者が激増している。
・「成功した人もしない人も平等にしてください」
・選択の決め手はインフルエンサー
・「浮いたらどうしようといつも考えてます」
・LINEグループで育まれた世界観
・もう「意識高い系」とすら言わない
・上司からの質問を同期に相談する
・自分に自信はないけど社会貢献はしたい
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