「あのメモどこだっけ?」がなくなる スマホを使ったメモの管理法
何かを思いついたとき、打ち合わせのとき、業務に気付きがあったとき。メモを取ることを普段から心掛けている人は少なくないだろう。
しかし、メモを紛失したり、どこに書いておいたか分からなくなったりすることがある。
最新のメモの管理は「デジタル化」がキーワード。
今まで紙に書いていたメモの情報をデジタル化し、クラウドに上げる。
新しい技術をうまく利用できれば、仕事も日常の管理も円滑にできるというのが『「超」メモ革命』(野口悠紀雄著、中央公論新社刊)だ。
本書は「ただのメモ」をスマートフォンなどのデジタルツールを使ってオリジナルのアーカイブをつくり、自分だけの有能な秘書のような存在を手に入れるための「超」メモ術を紹介する一冊だ。
■「あのメモどこだっけ?」がなくなる! 超「メモ」管理方法
具体的に「超」メモ術とは、どんなメモ術なのだろうか。
1、メールの「下書き」を使ってメモを取ってみる
まずはメモをするものを紙からスマホのアプリなどに変えてみよう。
手っ取り早いのはGmailなどのメールを使うこと。自分宛てのメールの下書きを作成し、これを下書きのまま保存する。そして、メモをする時にこの下書きからメモ用のメールを開いて、追加したり編集したりする。
これだけで、TODOメモや日記などに使える。Gmailであれば、データはGoogleのサーバーに保存されるので、仮にパソコンやスマートフォンが故障しても、データは失われることはない。
これがデータをインターネット上に保存する最も簡単な方法だ。
2、アプリを使ってメモを取ってみる
下書きメールを用いるだけでもかなりのことができるが、本格的な情報管理になると面倒だろう。
第2歩として著者の野口氏が挙げているのが、情報をメールに記入するのではなく、メモの記入に適したアプリを選び、そこに記入することだ。本書ではGoogleが提供している「Googleドキュメント」のアプリをダウンロードして使用することを提案している。
この段階まで来たら、より本格的なアーカイブの建設に取り組む。
3、実際に使ってみる
まずは個々のファイルにタイトルをつける。
そして、ファイル一覧の並べ方は「最終更新(編集順)」にしておく。そうすれば、頻繁に使うメモをすぐに参照できるようになる。
日記にも使えるが、日記を付けるときは1日ごとに1つのファイルを新しく作るのではなく、同じファイルに記録を追加していく形がいい。そうすれば、ファイル一覧からすぐに見つけやすくなる。
また、ファイルが増えてきたら、タイトルだけでどんなメモが書かれているか判別がつきにくくなる。そこでは検索機能を活用することを野口氏はすすめている。
4、多層ファイリングを構築する
では、検索機能でも目的のファイルを見つけるのが難しくなってきたらどうすればいいのか。
この問題を解決するのが、ファイル間でリンクを貼る「多層ファイリング」だ。
第1層のインデックスファイルから出発し、次々にリンクを辿ることによって、目的のファイルに到達することができるようになる。重要なファイルを見失うことがないように適切なリンクの体系を作ることで、目的のファイルを確実に、しかも素早く引き出すことができるようになるのだ。
「超」メモを作り、使うために必要なものは最低限、スマートフォンだけ。「無限に情報やメモをためて瞬時に引き出す」という仕組みを作るのが「超」メモ術なのだ。
ネット上にデータを保管しておけば、「あのメモどこだっけ」ということは劇的に減るはずだ。
スマホなどの機械が苦手という人も、まずは試してみてはどうだろう。スケジュールやちょっとしたメモも、スマホやクラウドを用いることで、生活が快適で便利になるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)