他人から寄せられる正反対のアドバイス どう考えればいい?
これまで、多くの人があなたにアドバイスを送ってきたことだろう。
その中で、本当に自分の身になったアドバイスはどんなものだっただろうか。そして、本当に自分を支えてくれた人はどんな人だっただろう。
■いろんな人からのアドバイス、どのように考えるべき?
『言いにくいことはっきり言うにゃん 仕事の悩み解決編』(Jam著、笠間書院刊)の中にこんなシーンが4コママンガで描かれている。
とある新人会社員の猫が入社1年を迎えるにあたり、「このまま続けるべきか転職するか…」と悩んでいる。その新人に対して、ある猫は「辞めない方がいいよ」と声をかける。またある猫は「転職や独立をした方がうまくいく人もいるわよ」とアドバイスする。
悩みに対して、いろんな人がいろんなアドバイスをしてくるのはよくあること。この4コママンガでも、新人の猫に対して正反対のアドバイスがなされている。
そんな状況を見たもう一匹の猫がその場にいる全員に向けてこう言うのだ。
「この中で言ったことの責任取れる奴はいるの?」
こう言われたアドバイスを送った猫たちは口を揃えて「ムリ」と言う。
著者のJam氏はこのマンガに続く解説に「結局のところ、辞めるにしても続けるにしても、最後まで何が正しい道で正しい選択かはわからないのです。永続的な保証もできません」(p.45より)とつづっている。
いろんな人がアドバイスをしてくるが、最終的に決めるのは自分だ。となると、大切なことは、自分がどうしたいかである。冷静になって、今までの時間や行動を見つめなおし、自分で情報を入手し、自分で判断していくしかないのだろう。
■「チャチャッとスキルアップしたい」に対する猫の回答
本書は、新人・中堅会社員やフリーランスのさまざまな悩みに対して、猫が目を覚ましてくれるような本質的なアドバイスや言葉をかけてくれる。
例えばスキルアップについて「チャチャッと上がる方法ないのかな」と悩む猫に対しては、「レベル上げをなめるんじゃねぇ」と一喝する。
ゲームでも、少しずつ弱い敵を倒して経験値とレベルを上げていきながら、強くなっていくもの。
Jam氏自身、マンガを描く仕事をしている中で人を描くのが苦手だとしたうえで、「才能で持ち合わせていないものを埋めるには、数をこなして経験を積んでいくしかないと思うんです」(p.85より)と述べ、自分で行動を起こして経験を積み上げていくことの大切さを説く。
ショートカットしたい。すぐにできるようになりたい。そう考えてしまうのが人間だが、やはり最適解は地道な努力なのだろう。
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「はっきり言うにゃん」という本のタイトルの通り、悩みに対して厳しさを交えながらはっきり言ってくれるのが本書の魅力だ。読んでいて、思わずハッとするところもあるはず。
今の仕事に対してもやもやとしたものを抱えているのであれば、目が覚めるようなアドバイスに出会えるかもしれない。
(新刊JP編集部)