「青汁王子」三崎優太が波乱万丈の末につかんだ「稼ぐための哲学」
劣等感、コンプレックス、適応障害、社員が次々と退社、借金、裏切り…、そんな逆境をすべて糧として、「誰もがうらやむ成功」を手にした男がつかんだ「稼ぐための哲学」は実践的かつ、読む人に「一歩を踏み出す」勇気を与えてくれる。
その整った顔立ちから「青汁王子」との異名を持ち、メディアでもたびたび取り上げられ、SNSやYouTubeでも際立った発信力を持つ三崎優太さん。
近年では投資家として10社以上に出資を行い、年間総額300億円以上の売り上げを誇るという、まさに若くして「ビッグな成功を手にした男」。
しかし、その人生はジェットコースターのように波乱万丈だ。2019年に発覚した脱税事件が記憶に新しいが、それすら三崎さんが経験してきた挫折の一つにすぎない。
大成功と大失敗が交互にやってくるような経験を経て、三崎さんがたどりついた「稼ぐための哲学」とは一体どのようなものなのだろうか。
■お金は稼ぐも人に裏切られ続けた、波乱万丈の人生
著書『時を稼ぐ男 新時代の時間とお金の法則』(三崎優太著、KADOKAWA刊)によると、三崎さんが自分でビジネスを興したのは18歳の時。携帯電話向けアフィリエイトサイトの運営を始めると、瞬く間に月商400万円に達した。
しかし、若くして大金を得たことで、精神的に不安定になり通院生活に。雇っていた高校の同級生たちも、三崎さんと仕事への価値観が合わずに去って行った。
その後、東京に拠点を移し会社を興すも、信頼していた役員に裏切られ、ライバル会社に重要情報を売り渡されるなど不運は続いた。
その頃の私には「社長」としての器はなく、ネットビジネスで小金を稼ぎ始めた、ただの若造に過ぎませんでした。(P41より)
次に三崎さんが始めたのはFX(外国為替証拠金取引)だった。研究を重ね、すぐに数億円の利益を出したが、ここでも裏切りに合う。友人からの「月利10%のファンド投資」という儲け話に乗った結果、3億円近いお金を失ってしまったのだ。
ただこのときの投資の経験から「これから伸びる業界」としてヘルスケア業界に目をつけたことが、「青汁王子」誕生のきっかけになった。
2017年、「すっきりフルーツ青汁」が累計1億3,000万個の大ヒット商品となり、年商130億円を達成。「青汁王子」として一躍脚光を浴びることとなった。
しかし大成功を収めたのもつかのま、今度は脱税で逮捕(有罪判決が出たが、三崎さんはこの判決の理不尽さを訴え続けている)。
メディアやSNSで袋叩きにあい、周囲から人が離れていった。自分で創業した会社のトップも退任せざるを得ず、「いつ死んでもかまわない」というところまで追い詰められた三崎さんだが、SNSを使って起死回生をはかる。
「青汁劇場」としてYouTubeであえて没落ぶりを強調。「恥ずかしさやみっともなさをすべてかなぐり捨てて」、「ピエロ」を演じた結果、フォロワーが激増。最初は誹謗中傷ばかりだったコメントに少しずつ応援する声が混じりはじめ、「ファン」に塗り替わって行った。結果として強力な発信力を手に入れたのである。
一方、経営者としても順調に実績を積み重ねていく。買収した企業の業績が順調で合計で年間300億円の売り上げを達成するまでに成長。「青汁王子」として、劇的な復活劇を遂げた。
■「青汁王子」が波乱万丈の人生の末に見つけた「稼ぐための哲学」とは
波乱万丈の末に三崎さんがつかんだ「稼ぐための哲学」は驚くほどシンプルだ。
そのひとつが「競争優位性」。「相対的に見て、自分の会社に競争優位性があるだろうか」という点を徹底的に検証することが必要不可欠だという。
「絶対的優位」でなくていい。他社よりもサービスや商品が少しでも優れていれば生き残っていける。そのために必要なことは徹底した市場調査だという。その上でマーケティング戦略を練る。
このシンプルな成功法則を支えるものが、「何があっても前を向く」メンタル術である。本書には「ピンチはチャンス」というワードが何度も出てくる。
(絶対にピンチをチャンスに変えてやる)
(どんな逆境でさえも乗り越えてやる)
(どんなマイナスでさえもプラスに変えてやる)
こんな気持ちを心の中にたぎらせて、ひたすら前を向いていった結果、今のプラスの状況に到達することができたのです。(P81より)
心療内科に通うなど、決してもとからメンタルが強かったわけではない。「ピンチの先には必ずチャンスが待っている」と自分に言い聞かせることで、折れないメンタルを作り上げることができるという。
そして失敗を恐れず、なりふり構わず前に進んでいけば、誰でも必ず成功にたどりつき、稼ぐことができると三崎さんは説く。
本書は他にも時間管理術、お金の使い方、自分のブランディング力の高め方、起業についての具体的な提案なども明かされ、全編通して飽きさせることがない一冊となっている。
(新刊JP編集部)