“コロナジョーク”で分かる日本の国民性
日本人は世界から、どう見られているのか。
この疑問を「海外の人が持つ日本像を、ジョークを通じて楽しく学ぶ」をコンセプトに解き明かしていくのが『世界の日本人ジョーク集令和編』(早坂隆著、中央公論新社刊)だ。
本書は累計100万部突破の「世界のジョーク集」シリーズの最新作。日本人が登場する様々なジョークを気軽に楽しむことを土台にし、平成から令和への日本社会の移り変わりについてわかりやすく解説している。
■世界各国の人たちにマスクを着用させるには?
新型コロナウイルスによって、世界中で必須のアイテムとなったマスク。
マスクを普段しない国でも、マスクを着用させるにはどうすればいいのか。世界各国の国民性が、こんなジョークからもわかる。
コロナ渦において、各国の政府が国民にマスクの使用を求めることになった。
アメリカ政府はこう発表した。
「マスクをすればあなたは英雄です」
ドイツ政府はこう発表した。
「マスクをするのがルールです」
イタリア政府はこう発表した。
「マスクをすると異性にモテます」
日本政府はこう発表した。
「みんなマスクしていますよ」
このジョークは「沈没しそうな客船から乗客を海に逃す際、船長は各国の人々に何と言えば良いか」が元ネタだ。アメリカ人には「飛び込めば英雄です」、日本人には「みんな飛び込んでいますよ」というもの。コロナ禍ならではジョークと言えるだろう。
1980年代に、ビートたけしさん、きよしさんのツービートがコントで披露した「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉が流行したように、日本人の特徴の一つであるのが「集団主義」だ。
マスクに関しては、「マスク警察」という人々が登場するほど、笑い事ではない一面もある。一方で、他者に気を配る、自分の行動を律するという意味では「日本の美徳」とも言える。
ちなみに、昨年流行語にもなった「アベノマスク」。深刻なマスク不足から、当時の安倍政権が、全世帯にガーゼ製のマスクを配布した。これは海外でも拡散されており、「日本人は不思議すぎる」「何かのジョークだろう」と言われたという。
しかし、国民へのマスク支給という政策は、イタリアやフランスなど、多くの国も追随。日本では「マスクが小さい」と不満の声も上がったが、ベルギーでは逆に某自治体の配布したマスクが「大きすぎる」と問題に。「パンツみたい」「パラシュート?」といった苦情が続出したという。
新型コロナウイルス流行の影響で、「新しい生活様式」で戸惑うことやストレスも多い。そんな毎日の中でちょっとしたユーモアや「笑い」は大切。「面白がる心」を持つことで、心の余裕にもつながるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)