だれかに話したくなる本の話

ナミアゲハはなぜミカンの木を見分けられるのか?身近な昆虫の意外な生態

『昆虫学者の目のツケドコロ』(井出竜也著、ベレ出版刊)

「野生動物」というとライオンやオオカミ、ゾウやキリンを思い出すが、アゲハチョウやトンボ、バッタやカブトムシといった身近な昆虫たちも立派な野生動物。サバンナに暮らすライオンに負けないくらい、近所に暮らす虫たちも実はダイナミックな自然の営みを繰り広げている。

『昆虫学者の目のツケドコロ』(井出竜也著、ベレ出版刊)は、そんな昆虫たちを日々観察している昆虫学者の目に見えている昆虫たちの営みの世界が少しだけ垣間見える一冊だ。

昆虫学者の目のツケドコロ: 身近な虫を深く楽しむ

昆虫学者の目のツケドコロ: 身近な虫を深く楽しむ

昆虫学者が植物の前に突っ立っている――。
昆虫学者が目の前にいる昆虫ではなく、なにか別の存在に思いを馳せている――。
昆虫学者が顕微鏡やカメラをうれしそうに覗き込んでいる――。

昆虫の研究者は、昆虫を見てどんなことを考えているのか?
研究対象に没頭するその目には、そこにいる虫だけではない、いろいろなものが映っている。