子どものやる気を奪う結果も「無理してがんばらなくていい」に潜むリスク
「無理してがんばらなくていい」
「我慢する必要はない」
こんなことがあちこちで言われる世の中になった。
本当に嫌なことに耐えかねて何かを途中でやめた人を「逃げた」という冷ややかな言葉で一様にネガティブに評価する社会ではなくなりつつあるのはいいことなのだろうが、その一方で「がんばらなくていい」の行きつく先を考えると、なにやらうすら寒さを感じる人もいるのではないか。
進学にしろ就職にしろ、仕事にしろ、少なくとも今のところは他者から一定の評価を受けないことには受け入れてもらえないし、お金を稼ぐこともできない。「努力」や「鍛錬」と呼ばれるものなしにそれができる人はほとんどいないわけで、となると誰もが一定の時期はがんばらなければいけないし、人生を通じて多かれ少なかれがんばり続けなくては生きていけない。