だれかに話したくなる本の話

迷いや悩みの答えに?名作映画の深いセリフたち

仕事や人間関係に悩んだり、人生に迷ったとき、何に救いを求めればいいのか。その答えは「映画」の中にあるとするのが『その悩みの答え、アカデミー賞映画にあります 人生の扉を開く50の言葉』(山下トシキ著、清流出版刊)だ。

本書では、アカデミー賞受賞作品を中心に50本の名作映画を取り上げ、その中のセリフを「映画のセリフ・ソムリエ」として活躍する山下トシキ氏が独自の解釈で読み解き、人生に役立つメッセージとして紹介する。1本の映画が観た人の人生観を変えることがあるように、1つのセリフが疲れた心に寄り添ってくれることがある。それが映画の大きな魅力である。

■仕事に行き詰まったら『七人の侍』のこのセリフ

「人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ」(島田勘兵衛のセリフ)

縁もゆかりもない村を野武士からの襲撃から守るために集結した孤高の侍七人。そのリーダーシップをとる島田勘兵衛は、「自分の家を捨てて、なんで他人の家を守らなきゃいけないんだ!」という村の百姓を「人を守ってこそ自分も守れる。己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ」と諭す。

強敵に勝つ唯一の方法は、互いに協調し、力を合わせて一つになること。自己を犠牲にしても、他者へ手を差し伸べる日本人の「侍スピリッツ」を勘兵衛のセリフから学ぶことができる。仕事においても、他者を気遣い、助け合うことで、チームとして目標を達成できるということだ。

■人生に迷っているなら『フォレスト・ガンプ』を観よ

「ママはいつも言っていた。奇跡は毎日起きるって。信じない人もいるけどホントだよ」(フォレスト・ガンプのセリフ)

子どものような心を持ったガンプは、お気に入りのベンチに座って、隣の女性に思い出話を話し始める。ただ前だけを見て走るガンプのもとには、人生を切り開く幸運が次々と舞い込む。運だけではなく、ガンプの純粋で優しい心、一生懸命でひたむきな行動力が多くの人々を惹きつけ、幸せを連鎖させていく。その中でガンプは「ママはいつも言っていた。奇跡は毎日起きるって。信じない人もいるけどホントだよ」という言葉を信じている。何気ない毎日は奇跡の連続でできていることがわかっているのだろう。

今までに観たことのある映画も本書では、紹介されているだろう。本書を読んで新たな気づきもあるかもしれない。また、次に観る映画を選ぶ指標にもなる。悩み解決の言葉や活力となる映画、セリフが本書の中から見つかるはずだ。

(T・N/新刊JP編集部)

その悩みの答え、アカデミー賞映画にあります 人生の扉を開く50の言葉

その悩みの答え、アカデミー賞映画にあります 人生の扉を開く50の言葉

1本の映画との出会いによって人生が一変する、そんな素敵なことがあります。

アカデミー賞受賞・ノミネート作品を中心に厳選した50本。そこに散りばめられた「セリフ」には、日々の生活に役立つ“メッセージ"があふれています。

この記事のライター

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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