公認会計士が教えるアウトプット能力に増強に結びつく読書法
本は1冊30分で読める。
というのは、公認会計士であり、YouTubeチャンネル「YouTube図書館」で本の紹介をしている金川顕教氏だ。ただし、金川氏が実践しているのは、速読ではない。
・1冊の本を1回だけでなく、それぞれ違う方法で4回読む
・1冊の20%を読むことで本全体の80%を理解する
・読んだ内容を誰かに伝える「アウトプット」を重視する
という3つの特徴からなる読書法だ。
本はじっくり読んで楽しみたいという人も、仕事上の必要で読まなければいけない本がある場合は、なかなかゆっくりと読む時間がなく、短時間で内容を頭にいれなければならない時もある。また、読んだ内容をすぐ忘れてしまうという悩みも、「アウトプット」を重視する金川氏の読書法が解決してくれる。
■「計4回30分で読む」がインプット読書のキモ
『「本の読み方」で人生が思い通りになる 読書革命』(金川顕教著、総合法令出版刊)はそんな超効率的な読書術を解説する。本書では、読書の習慣がない人向けに、読書の重要性とメリット、読書習慣の身につけ方から、30分で読む方法、金川氏が推薦する「読むべき30冊」を紹介する。
金川氏の読書法の最終ゴールはアウトプットすること。そのために必要なのが、1冊の本を以下の4ステップで4回読むこと。といっても最初から最後まで4回読むわけではない。
ステップ1「予測読み」 カバーや帯、著者紹介の内容を予測する。
ステップ2「断捨離読み」 一通り本をめくっていき、気になるところ、目に留まったところにマーキングしていく。この段階では本の内容は読まない。
ステップ3「記者読み」 ステップ2でマーキングしたところを熟読する。このとき、なぜ著者はそのような主張をするのか、自分はそれについてどう考えるのか、などを深く考えながら読む。
ステップ4「要約読み」 他人に本の内容を説明する=アウトプットを意識して、著者が伝えたいことをまとめながら全体像を掴んでいく。
この4ステップ、実際にはステップ1ではまだ本の内容は読んでいない段階なので、ステップ2からステップ4の読了までにかかる時間が30分となる。この4ステップを30分で終え、アウトプットとして他の人に伝えることで、読んだ本の内容を自分の中に定着させるのだ。
本を読むのは時間がかかるものと思い込んでいる人は多いだろう。また、読まなければいけない本がある場合は、時間もかかり、忍耐も必要となる。もっと速く、さらに本の内容も理解するために、本書の読書法を活用してみてはどうだろう。
読書家の人も、読む本によって、じっくり読む読書と金川氏の読書法を使い分けることで、プライベートの本、仕事の本で読書法を使い分け、「楽しみのための読書」と「必要な情報のインプットのための読書」を併用することができるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)