2021年も継続「オンライン会議」の視界に必須の能力とは?
2020年はリモートワークの導入によって、会議やミーティングが対面ではなく「オンライン」で行われる機会が増えた。
これはまちがいなく便利になったといえるのだが、一方で「画面越しだと、ちゃんと伝わっているか不安になる」「反応が分かりにくく、話が進めづらい」「自分の意見を挟むのが難しい」など、リモート会議特有の悩みも生まれた。
今年2021年以降も、おそらくリモートワークはどのような形であれ続き、オンラインとリアルなコミュニケーションが共存することが当たり前になっていくはず。ならば、オンラインに特化したコミュニケーションを模索してみてはどうだろう。
■オンライン会議で「発言しない人」の消極性が際立つ
『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(桑野麻衣著、クロスメディア・パブリッシング刊)では、オンライン講師の桑野麻衣氏が、人とのコミュニケーションにおいて大切なこととは何なのかといった本質的で普遍的な内容から「オンラインでもオフラインでもリアルに少しでも近づけられるコミュニケーション術」を紹介する。
日本人は、察することや空気を読むことが得意だとされるが、これは「コミュニケーション力が高い」ことを意味しない。察することが得意でも、「表現する」ことができないと、コミュニケーションとしては不完全である。
そこで、表現するコミュニケーションを引き出すための一手法として「ファシリテーション力」を磨くことが大切になる。空気を読みがちな日本人は「違う」と思っても、自ら反論することに抵抗のある人が少なくない。
一方で、リモート会議では、どんな内容であれ「発言すること」が求められている。対面での会議や打ち合わせであれば、あまり発言をしなくても、「その場にいること」でなんとなく許されているところがあったのだが、不思議なことにリモート会議の場合は発言しないと消極性が際立ってしまう。
だからこそ、特に人をまとめる立場の人は、自分の意見を言うだけでなく、他のメンバーから意見をまんべんなく引き出したり、話の流れを整理する「場を回すファシリテーション力」が求められるようになったのだ。
■ファシリテーション力とは何なのか
ファシリテーション力は大きく分けて「一体感のある場作り」と「ゴールに向かって導く」という2つのステップがある。ステップ1では、一体感のある場作りをすることで、参加者全員が公平に意見を言いやすくなる。意見が発散されたところでステップ2に進み、最終的なゴールに向かって整理し、収束させていくのだ。
意見を発することが得意ではない人でも、他のメンバーの話をよく聞き、全体を俯瞰して進行する「ファシリテーション力」を磨くことで、新たなコミュニケーション力を身につけることができるのだ。
「オンラインとオフラインは全くの別物である」と捉える人もいれば、「オンラインとオフラインは根本的には同じである」と考える人もいる。リモートワークにしてもリモート会議にしても、感じ方捉え方や人によって様々だ。
桑野氏は後者。どちらのコミュニケーションであっても、工夫をすれば、相手から好かれたり、信頼されるということはできる。根本的なコミュニケーション力を磨くためにも本書を参考にしてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)