「自分中心の暮らし」が一変　猫は飼い主を育てるのか

2020年12月29日 18時配信

『猫が飼い主を育てる甘い生活　最愛なるハリーに敬意を表して』（M.IWASA著、文芸社刊）

動物には、私たちの心を癒す不思議な力がある。でも、それだけではないのかも。

アメリカでバンド活動を行い、その後、ドイツ、スウェーデン、イギリスで音楽活動を続けながら、仙台市の翻訳事務所で専属の通訳、通訳家として活動しているM.IWASA氏は、子どもの頃からペットと触れ合うこともなく、大人になってからも音楽活動に集中する生活をしていたという。そんなM.IWASA氏だが、ある猫と出会ったことで、人生観や運命までもが変わっていくことになった。

猫が飼い主を育てる甘い生活最愛なるハリーに敬意を表して

東日本大震災が起きた2011年。ドイツで暮らす私にとって、次々にテレビから流れる惨状は、東北で暮らす両親の安否を心配する思いと一緒に、立ち上がれない程の衝撃でした。そんなとき、ガールフレンドの愛猫で、私を敵と見なしていたハリーが、悲しみに包まれる私の膝の上に乗り、一生懸命私を励まそうとしてくれたのです。そこから、私とハリーの絆は深まっていったのでした。