新刊ラジオ第84回 「人形の家」
文芸特集第3弾は、岩波書店より「人形の家」です。イプセンがこの本を書いたのは100年以上も前の話ですが、この本で問題とされているようなことは現在でも夫婦や親子の間での大きな問題であり続けていますし、今後も完全に解決されることはまずないと言ってよいでしょう。「あたしは、まず何よりも人間よ」というノーラのセリフは、そのような社会あるいは人間そのものに対するイプセンの問題意識の表れだと言えます。この本は、そんなイプセンの問題意識を感じ取りつつ、劇として気軽に楽しめる一冊です。どうぞ、お聞きください。