新刊ラジオ第1856回 「ガラパゴス 上」
警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、身元不明の死者リストから不審な遺体を発見する。それが、事故死に見せかけた殺人だということが発覚し、再捜査に乗り出した田川。
調査を続けていくうちに田川が見たものは、事件の背後に潜む大企業の影と、その下で働く派遣労働者たちの闇の現場だった。
相場英雄が描く、平成版『蟹工船』!(提供・小学館)
読む新刊ラジオ 新刊ラジオの内容をテキストでダイジェストにしました
『震える牛』の事件から4年。田川信一が再び立ち上がる!
こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
今回もまた読み応えのある本が来ました。タイトルは『ガラパゴス』。
今年1月に上下巻で発売された本作ですが、3月25日より電子書籍版配信開始、ということでピックアップさせていただきました。
いったいどういった話なのか、早速みていきましょう。
主人公は、捜査一課の刑事・田川信一(たがわしんいち)。
見た目は温和な感じで、刑事独特のキレのある動きは見られないのですが、地道に、ひたすら集めた細かな情報を全てメモに残し、徐々に事件の真相へ迫っていくというやり方から、『地取りの鬼』と呼ばれています。
そんな彼は、ある日、事件がひと段落したところで、同期の鑑識課・木幡祐治(こわたゆうじ)の頼みで、鑑識のノルマである身元不明者の身元割り出しの作業を手伝うことに。
ノルマのために、何人もの身元不明者を確認する中、とある遺体の写真で田川は異和感を感じ、自殺として処理されていた遺体が、他殺であることに気が付きます。
長年の経験から、被害者は青酸カリで毒殺されていたということを見抜き、田川は、数年放置されていた事件の再捜査へ。
被害者の身元を追っていくうちに、田川と木幡は大企業の陰謀と、その下で働く非正規雇用労働者の恐ろしい実態に迫っていくことになっていきます。
平成版『蟹工船』とも銘打たれる本作。
物語の一部をドラマにしましたので、どうぞ本編をお聴きください。
◆著者プロフィール 相場さんは1967年、新潟生まれ。 2005年『デフォルト(債務不履行)』で第2回ダイヤモンド経済小説賞を受賞しデビュー。2012年に刊行した『震える牛』は28万部を超える大ヒットとなり、ドラマ化もされました。 本作『ガラパゴス』は、『震える牛』の続編にあたります。
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