だれかに話したくなる本の話

新刊ラジオ第1849回 「文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦」

――今これから訪れるものが、貴様の死だ。
殺人探偵・綾辻行人と妖術師・京極夏彦。互いに智謀を巡らせ、凶悪な異能で死をもたらす。長年にわたる知恵比べの果てに立っているのはどちらか――。
2016年4月からアニメ化が決定している大人気漫画『文豪ストレイドッグス』、現役作家を擬人化した異色のスピンオフがついに開幕!(提供・KADOKAWA)

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文豪たちをキャラクター化した大人気コミック『文豪ストレイドッグス』、新作は現代作家をキャラクター化!!

こんにちは、ブックナビゲーターの矢島雅弘です。

本作は『外伝』と銘打ってありますが、そもそも本編をみなさまご存知でしょうか。

もともとは『ヤングエース』にて連載中の漫画作品で、そのスピンオフとなるのが、本作なんですね。

さて、『文豪ストレイドッグス』。

いったいどんな内容なのかといいますと、実在した文豪たちの名を冠したキャラクターが異能力を駆使して戦うバトルアクションなんです。

登場人物を少し紹介させていただきますと、中島敦、太宰治、宮沢賢治、与謝野晶子……といった感じで、非常に有名な文豪たちが名を連ねています。

そして注目していただきたいのは、各々が持つ異能力の名前。

太宰治の能力名は、『人間失格』。

宮沢賢治の能力名は『雨ニモマケズ』など、それぞれ有名な作品をモチーフとしているのが特徴です。

能力詳細については、ネタバレになるおそれがありますので、気になる方はぜひ漫画の方ぜひ読んでみてください。

それでは、今回のメインである『外伝』をご紹介していきましょう。

こちらに関しては、タイトルから察している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

はい、『外伝』では現役の作家さんが登場しているのです。

メインの登場人物は3人。

犯人を確実に事故死させるという強力な異能『Another』を持つ、殺人探偵・綾辻行人。

異能特務課から綾辻を監視するために派遣されたエージェント・辻村深月。

そして、異能『憑物落とし』を使い、自らの手を下さず多くの凶悪な殺人事件を巻き起こす、妖術師・京極夏彦。

綾辻は、相手に必ず『死』を与えるという危険な異能のために、第一級危険異能者として政府から監視を受けています。

その監視役が、辻村なのですが……。

エリートなはずの辻村は、綾辻の毒舌と勝手な行動にいつも振り回されてしまいます。綾辻が勝手に事件を解決してしまうと、犯人も死んでしまうので、その気苦労は相当なものです。

しかし、政府側は綾辻を危険と指定しながらも監禁や始末をすることはできません。

それは、今後も人を殺されてしまう可能性というデメリットよりも綾辻自身の非常に優れた頭脳を重宝しているからにほかありません。

綾辻は、事件を解決することによって、自由を得ている状態なのです。

そんな彼らに相対するのは、妖術師と呼ばれる京極夏彦。彼も綾辻と同じか、それ以上に知能が優れた人物。京極の異能自体は、直接危険なものではありません。

しかし、人の心理を操り、自ら手を汚さずに殺人犯を次々と生み出していくという凶悪な手段で、綾辻の異能の範囲外から勝負を仕掛けてくるキレものです。

綾辻と京極。

この二人の闘いはどのような決着を迎えるのか、今回は物語の一部をドラマにしましたので、こちらの音声をお聴きください。

■出演(敬称略) 綾辻行人:佐々木啓夫 京極夏彦:浅科准平 辻村深月:高橋李依

◆著者プロフィール 朝霧カフカさん。 ニコニコ動画にて「ゆっくり妖夢と本当はこわいクトゥルフ神話」を投稿し、人気となりました。のちにKADOKAWAから漫画原作として『文豪ストレイドッグス』で商業デビュー。 同作品の前日譚であるノベライズ『文豪ストレイドッグス 太宰治の入社試験』で小説家としてもデビューされました。

文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦