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年収300万円はお金を減らす人 年収1000万円はお金を増やす人 年収1億円はお金と時間が増える人

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BOOK REBIEW

「どれだけお金を稼げるかは、その人の考え方と行動によって決まる」とよく言われます。

確かに年収300万円の人と年収1000万円の人では、考え方も行動もちがうはず。同じように、年収1000万円と年収1億円の人の間にも、やはり大きな違いがあるようです。

本書は、この3者を比較する一冊。著者の金川顕教さんは年収数百万円のサラリーマンから起業して億万長者になりあがっただけに、どの層の行動も熟知しているようです。

自分の年収の低さ、あるいは忙しさと年収が見合っていないことに悩む人は参考にしてみてください。

気になることがあっても調べない300万、気になったら調べる1000万、1億円は…

人の性質のうち、特に収入に直結するとされるが「行動力」です。たとえば気になることや興味を持ったことがあった時、あなたはどうしていますか?

こんな時、「あとで調べよう」とその場では放っておいて、結局調べないまま忘れてしまうのが定収入の人。年収300万円の人の考え方です。これに対して、気になったことはあとできちんと調べるのが年収1000万円の人。

調べるか調べないかでいえば、1000万円の人は調べているので、こちらの方が行動的です。しかし、両者とも、調べるのを後回しにしている点では同じ。1000万円の人と1億円の人はこの点が大きく違います。

本当のお金持ちになる人は、気になることがあったら、その場で調べ、自分なりの解決策を見つけてしまいます。行動力だけでなく、行動の早さがあるのです。

もはや異次元 1億稼ぐ人の集中力

集中すべき時に集中できない人がいい仕事をできるはずもなく、いい仕事をできなければ収入はあがりません。その意味で、集中力散漫なのは、300万円の人の特徴といえます。

一方、1000万円稼ぐ人は集中力のオンオフができる人。やるべき時は全力で集中できますし、だからこそ集中しているところに邪魔が入るのを嫌います。

これとは別の次元にいるのが1億円の人。このレベルになると、大方の仕事は他の人に任せてしまいます。必然的に、集中するなといっても集中してしまうような、本当に重要でやりたい仕事だけが残りますから、彼らは常に集中していることになります。そこに「オンオフ」の区別はありません。

年収300万円の人は「過去の人間関係」から抜け出せない

行動力や集中力と同じくらい収入に大きな影響を持つのが「人脈」や「人間関係」です。

人間関係は生きていれば自然にできるものですから、「広げること」だけでなく「整理すること」も必要。この整理ができるかどうかが年収を分けます。

たとえば、小中学校が同じだった幼馴染からの飲み会の誘いが断れず、毎回参加してしまう人は、人間関係の整理ができていません。昔の友達との付き合いを保つのがいけないわけではいけませんが、断れないのは大問題。「過去の人間」関係に縛られてしまっています。

上のような300万円の人の性質に対して、1000万円の人は「現在の人間関係」に縛られがちです。会社員として年収1000万円稼げる人は、職場では高い評価を得て、周囲の人も敬意を持って接してくれます。居心地のいい人間関係ですが、発展はありません。

年収1億円の人の人間関係は、もっとダイナミックです。人間関係を固定化したものだと思っていないため、その時々の状況に応じて付き合う人を切り替えますし、状況を替えようと思ったら人間関係を切っていくこともできます。

人間関係を切るというと、冷たい人間のように聞こえますが、彼らの目線は常に「未来」を向いている以上、既存の人間関係に執着するのは無駄なのです。

年収300万円の人と年収1000万円の人とでは、確かに行動原理が異なりますが、両者ともサラリーマン的である点は共通しています。いってみれば、1000万はサラリーマンとして稼げる上限。もっと上に行きたい人は、さらに意識を変える必要があります。

年収300万円はお金を減らす人 年収1000万円はお金を増やす人 年収1億円はお金と時間が増える人』では、300万円、1000万円、1億円の3つの階層の考え方と行動の違いがまだまだ紹介されていますので、目指す年収に合わせて参考にしてみてはいかがでしょうか。

INTERVIEW

程度の違いはあれど、「もっとお金を稼ぎたい」という思いは誰もが持っているはず。
特に今は賃金が上がりにくいと言われる時代ですから、日々の生活が苦しかったり、金銭的なゆとりのなさから将来に希望が持てない人は多いかもしれません。

ただ、何もせずに「お金が欲しい」と願っていても実現しないのは確かなこと。その願いを実現するには自分の何かを変えないといけません。

年収300万円はお金を減らす人 年収1000万円はお金を増やす人 年収1億円はお金と時間が増える人』(サンライズパブリッシング刊)はそんな人にヒントを与えてくれる一冊。

年収1000万を目指すには何が必要なのか、そして年収1億円には…。今回は著者の金川顕教さんにお話をうかがいました。

年収300万の人は「何もがんばっていない」

―― 『年収300万円はお金を減らす人 年収1000万円はお金を増やす人 年収1億円はお金と時間が増える人』についてお話をうかがえればと思います。「年収1億円」のモデルは金川さんご本人かと思いますが、普段どんな生活をされているんですか?

著者 金川顕教さん写真

金川:「年収1億円」というと、世間のイメージは「毎日高級店で食事をして、買い物に行って」という感じだと思いますが、僕はそういうタイプではなくて、基本的には夜中まで仕事をしていることが多いです。昨夜も朝の4時くらいまで打ち合わせをしていて、寝たのは7時くらいでしたし。

年収3000万円くらいの頃は、おいしいものを食べるのが好きで、あちこち食べに行ったりしていたんですけど、太りますし体調も悪くなってしまったので、もうそういうことはやめて、1000円くらいで健康的なものを食べられるところで食べていますね。

―― 金川さんは以前、公認会計士をされていて比較的高収入を得ていながら、その立場を捨てて起業されました。この理由についてお聞きしたいです。

金川:おっしゃる通り、1年目から年収600万円くらいでしたから、同世代の人と比べるともらっていた方だったと思います。

起業した理由はいろいろあるのですが、仕事をするモチベーションの部分は大きかったですね。企業の会計監査が主な仕事だったのですが、簡単に言ってしまうと「相手を疑う仕事」なんですよ。売上を隠していないか、決算の数字は正しいか、と常に相手を疑いの目線で見ないといけない。

専門的な仕事ですし、新しい知識をどんどん得られるので、やりがいがないかというとそんなこともなかったのですが、このまま20年、30年先も同じことをやっていくのかと考えると、ちょっと違うなという思いはありました。

―― 会社を辞めることを決めた、最後の決め手はどんなものでしたか。

金川:そこはもう勢いです。当時、副業としてブログアフィリエイトでお金を稼ぐ方法を教える仕事をしていて、それが月に40~50万円になっていました。

本業の片手間でそれくらい稼げるなら、こっちに本腰を入れたら会計士を辞めてもやっていけるんじゃないか、と勢いで辞めて、それがうまくいったという感じです。今はこのビジネスが大きくなっています。

ただ、まだ20代で失敗したとしてもまだやり直しがきく年齢だったので、そこまで深くは考えてなかったです。ダメだったら実家に戻るなり、また会計士として働くなりすればいいわけで。

―― 本書では、「年収300万円の人」「年収1000万円の人」「年収1億円の人」と、年収別に考え方と行動の違いがつづられています。金川さんとしては、やはり「1億円」を目指してほしいという思いはあるのですか。

金川:そういうわけではないです。僕自身、お金はそこまで必要だとは思っていません。

ただ、1億円の人と3000万円の人はどちらが幸せかは決められないにしても、年収300万円となると、ほとんどの場合お金について悩んでいるはずです。それなら1000万円なり2000万円なりを目指してみてはどうですか、ということですね。

―― その場合、どんな方法が考えられますか。

金川:年収300万円の人は、極論すれば「何もがんばっていない人」です。言われたことをやっているだけだったり、世間に流されていたり、常識を鵜呑みにして何も考えずに生きている人の平均がそのくらいになる。

どういう仕事をすればどのくらいのお給料がもらえるかということは、調べればすぐにわかることですし、年収1000万円まではその方法はいくらでもあります。弁護士や会計士になる方法もありますし、歩合制の営業マンだってそれくらい稼いでいる人はいる。

お金がないことで悩んでいるなら、給料のいい仕事を調べて、そちらの方向にいけばいいのに、年収300万円の人は「このままがんばればいつかは給料が上がる」と考えて、転職したり、自分でビジネスをしたりといった行動を起こさないんです。

でも、「このままがんばれば」という考えは、外資系の生命保険会社みたいに、同じ組織の中に年収数百万円の人から1億円の人までいる会社では有効かもしれませんが、固定給のまま昇給幅の少ない会社で働いている人も多いはずです。

そういう人は会社を変えたり、ビジネスをはじめたり、投資をはじめたり、行動を起こすしかないわけで、その一歩を踏み出して欲しいなと思っています。

―― 年収1000万円から年収1億円を目指すとなると、また話が違ってきますよね。

金川:1億円となると、組織で働いていたり、国家資格に則った仕事だとなかなか難しいですからね。

僕の知る限り、1000万円までは、税理士や会計士、医師のような、いわゆる「肩書き」のある人が多いですが、それ以上となるとやはり自分でビジネスをする人になります。でも、こういう人って、世間的に「何をやっているかよくわからない人」と見られやすい。

「何をやっているかわからないけど、ものすごく稼ぐ人」って誹謗中傷を受けやすいですし、親や親戚からのウケも良くない。1億円稼ぎたいという人にはそういう面でのメンタルの強さは必要だと思います。

年収1億を稼ぐ人の「年収アップのためのアドバイス」

―― 本書では、収入ごとの考え方や行動の違いを解説することで、収入を上げるために何をすべきかが明らかにされています。その一つに「メンター(自分にとってお手本となる人物)」を見つけるというものがありますが、メンターを見つけることの意義はどんな点にありますか?

著者 金川顕教さん写真

金川:年収が上がらない理由はいくつもあるのですが、一番に挙げられるのは、周りに年収の高い人や年収がどんどん上がっている人がいないから、やり方がわからないし、もしやり方がわかったとしても「自分にもできる」という実感を持てないことです。

でも、周りに年収の高い人がいて、いつでも話ができる環境があれば、不思議と「年収が上がる自分」というのをイメージできるようになるんです。

環境というのはすごく大事で、親が株で儲けていたら、その子どもは「株はいいものだ」と思うでしょうし、反対に損ばかりしていたら「株は危険なもの」と思うでしょう。メンターもそれと似ています。

―― 金川さんが「収入が上がった自分」をイメージできた時のことについてもうかがいたいです。

金川:会計士だった頃に、年収3000万円を稼いでいるという人に会う機会があったんです。

僕は当時まだ23、4歳で、年収3000万円というと、「超一流大学を出て、ものすごく頭が切れて、ものすごくスキルが高い超人的な人」というイメージを持っていました。

ただ、実際に会ってみると、そういうイメージとはちょっと違っていたんです。もちろん知識はあるし、すごい人には違いないんですけど、超人的という感じではなかった。

会計士時代に勤めていた外資系の会計事務所には、それこそ超人的に頭の切れる人がたくさんいました。彼らのスピーチを見ては「自分には無理だな」と思っていたのですが、その人からはそういう印象は受けなくて、「案外自分もやればできるんじゃないか」と思えたんです。それが最初でしたね。

―― まずはメンターのやることをそのままマネしてみるということも書かれていました。

金川:僕はマネしましたね。

―― 変に自分の考えを入れないほうがいいという。

金川:まずはうまくいっている人のやりかたをそのままやってみる方がいいのではないかと思っています。

ある先輩が「3匹目のドジョウ戦略」と言っていたんですけど、うまくいっている人のやり方を完全にマネして同じことをやったら、その人の半分は稼げると。

さらにマネをして半分稼いだ人をまた別の人がマネをしても、またその半分は稼げるから、稼ぎたかったら稼いでいる人の服装から話し方から全てマネをしなさいと。この戦略が正しいかはわかりませんけど、まずはマネをしてみて、次からは少しずつアレンジをしていくのがいいのではないかと思います。

―― 仮に今、金川さんのところに、低賃金と長時間労働で疲弊した人がやってきて、この状況を変えるためのアドバイスを求められたらどんな言葉をかけますか?

金川:よく言っているのは、「今のままでいいんじゃないですか」という話です。

その人は今低賃金で長時間働いているかもしれませんが、何年かその生活を続けられてしまっているわけで、その状況を変えるには明確なモチベーションが必要になります。

それを見える化してもらう意味で、今のままだと何がいけないのか、と問いかけるんです。

―― 確かに、「将来が心配」とか「体力的にきつい」といったものでは、モチベーションとして漠然としすぎている感はありますね。

金川:そこがしっかりしていないと行動が続かないんですよ。そういう意味でいうと、会社を辞めて無収入になってから相談に来る人はだいたい稼げるようになります。もう行動せざるをえないので。

―― 今のモチベーションのお話もそうですが、収入を上げるために必要な「才能」があるとしたらどんなものだと思いますか?

金川:さっきの、メンターのお話と重なりますが、お金を持っていたり、仕事がうまくいっている人の言うことを率直にマネできる素直さは、一つの才能だと思います。

それと、現状を捨てる勇気というか、思い切りですよね。考え方や行動を変えれば生活も変わります。悩みを抱えながらもなんとかやってこれている今の生活を捨てて新しいことを始められるかどうか、というのはやはり大きいです。

―― 最後になりますが、収入の低さに悩んでいる人やお金持ちになりたい人にメッセージをお願いします。

金川:先ほどもお話ししたように、なぜお金を稼ぎたいのかを明確にすること。嫁にあれを買ってあげたいとか、親孝行をしたいとか、具体的でなくてもいいので明確にしておくべきです。

それがわかれば、取るべき行動が決まります。それは仕事を変えることかもしれませんし、もっと他のことかもしれませんが、やるべきことをやるために今いる環境から一歩出てみることが大切です。

いきなり行動を起こせないなら、世の中でうまくいっている人の本を読んだり、その人に会いに行ってみたり、自分とは違う考え方に触れてみるといいのではないかと思います。

INFORMATION

目次情報

  • はじめに
  • 第1章 行動編
  • 第2章 マインド編
  • 第3章 人間関係編
  • 第4章 お金編
  • 第5章 時間編
  • 第6章 環境編
  • おわりに

著者プロフィール

金川顕教

起業コンサルタント・事業家/株式会社 Social River 代表取締役
1986年三重県生まれ。東京都港区在住。
立命館大学産業社会学部卒業。 偏差値35から大学進学を志し、2浪の末立命館大学に入学。
大学合格発表直後から受験勉強を資格試験に切り替え、 在学中に公認会計士試験に合格する。
世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。
新入社員から年収600万円が保証される生活に「これで一生安泰の人生が送れる」と思ったのも束の間、 自分自身の時間が削られていく不自由さに耐えきれず、毎日の激務をこなしながら起業のための勉強を開始する。
勉強期間中の副業で給料の10倍を稼ぎ出し、軌道に乗ってきた2013年に独立。 以来、事務所なし従業員なしの会社は年々売り上げを伸ばし、3年間で2億6600万円売り上げる。 2016年現在、4期目にして年商は5億円、粗利にして3億円を見込んでいる。 サラリーマン時代には想像できなかった「経済的」「時間的」「人間関係的」に自由な日々を送る。