「仕事が途切れないフリーランス」になるたった一つの方法
愛されフリーランスのすすめ

愛されフリーランスのすすめ

著者:仙道 達也
出版:幻冬舎
価格:1,400円+税

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本書の解説

時間に縛られず、嫌いな人と無理に付き合わなくてもいい。
フリーランスという働き方は、会社勤めをしていると羨ましく映るものだし、「いつかは自分も」と考えている人もいるはずだ。

もちろん、いいことも悪いこともすべて自分に返ってくるフリーランス暮らしは厳しさも伴う。スキルや知識、経験など、自分がフリーランスとして売り物にする武器に需要があるかどうかなどわからないし、途切れずに仕事が入ってくるかどうかもやってみないことにはわからない。

ただ、それでもチャレンジしてみたいなら、心に留めておくべきことがある。

スキルが高くても仕事が舞い込むとは限らない

『愛されフリーランスのすすめ 楽しく働いて仕事が途切れない私になる4つのルール』(仙道達也著、幻冬舎刊)は、「売れないミュージシャン」からフリーランスとして年商6億円を稼ぎ出すまでになった著者が、フリーランスとして成功するために必要な考え方ややるべきことについて明かしていく。

フリーランスとして生き抜いていくための極意は、ひとことでいえば「顧客から愛され、社会から愛される」ことである。どんなにスキルや能力が高くても、クライアントに愛されないフリーランスは仕事が途切れてしまう。その意味で「愛されるかどうか」はフリーランスとして生きていくうえで、最大のカギなのだ。

本書によると、この点でまず言えるのは、「疲れて寝落ちするくらい没頭できる仕事」を選ぶこと。

大好きなこと、没頭できることを仕事にしている人は、少々の困難ではへこたれないし、集中力も衰えない。誰に言われなくても努力することができる。仕事の出来に妥協することも少なく、結果クライアントを満足させることができる。

クライアントの側も、その仕事が大好きで、毎日でも、一日中でもやっていたいという人に仕事を頼みたいもの。だから、「没頭できることを仕事にしている」は、フリーランスとして愛される第一歩なのだ。

「没頭できること」と「社会の需要」の間に解がある

ただ、自分の大好きなことが、そのまま仕事になるわけではないかもしれない。フリーランスとしての「メシの種」は、「没頭できること」と「社会の需要」の間にある。だから、好きなことややりたいことに、多少のカスタマイズを加える必要がある。

「没頭できること」と「社会の需要」の落としどころは、一人で考えていてもなかなかわからないもの。だから、第三者に意見を求めた方がいい。それもできるだけたくさん。できれば、自分が考えている事業の「消費者」となりえる人に聞くのがベターだという。

こうしたディスカッションを続けていくうちに、自分のやりたいことをどうカスタマイズすればビジネスになるかが見えてくることはあるだろうし、意見を聞いてもらった人が発した何気ない需要は、自分のスキルでカバーできるものかもしれない。

そして大事なことは「ゼロイチを狙わないこと」。この世にまったく存在しないサービスを仕事にすれば見返りは大きいが、あまりにも難易度が高い。また、「フリーランスとして生活していく」ということが目的ならば、完全なるオリジナリティはそもそも必要ない。すでに世の中に出ている「成功例」の近くから、自分にとっての「解」を探せばいいのだ。



どんなことを仕事にすればいいか。
どのように自分の仕事の独自性を高めればいいか。
どうやって収益を安定させるか。

会社に勤めながら、副業として始められる、テレワークでできるなど、フリーランスの魅力は多い。これらの恩恵に授かるためにも、フリーランスとして稼いでいくために「越えなければいけない壁」については知っておいた方がいいだろう。

チャレンジするかしないかは自分次第。もし、チャレンジする決心が固まったなら、フリーランスとして仕事をすることで人生逆転に成功した著者による本書は良き参考書になるはずだ。

(新刊JP編集部)

インタビュー

■フリーランスで成功する人・しない人 決定的な違いとは

『愛されフリーランスのすすめ 楽しく働いて仕事が途切れない私になる4つのルール』についてお話をうかがえればと思います。会社勤めをしている人の中に、フリーランスの働き方に憧れる人はいるはずですが、同時に「自分はやっていけるのか」という思いもあるはずです。フリーランスになってもやっていける人はどのような人なのでしょうか。

仙道: 自分自身が証明なのですが、僕は大学に行っていませんし、就職もしていません。資格も持っていません。だけど、フリーランスとして独立することができて、今は年商6億円ほどを得ています。だから、フリーランスとしてやっていくための資質は、学歴や技術や能力ではないと思います。

では、フリーランスに向いているかどうかを分ける要素は何かといったら、僕は「3つの自由」をどれくらい熱望しているかだと思っています。3つの自由とは「経済的自由」「時間の自由」「人間関係の自由」です。この3つの自由を強烈に求めている人はフリーランスに向いています。

一方で、「人間関係は少しくらい嫌なことがあっても我慢しよう」とか「給料は安くてもいいかな」とか、1つでも欠けている人は向いていないと言えるかもしれません。あとは。現状維持といいますか、同じような毎日がよかったり、変化を好まない人もフリーランスには向いていないと思います。

仙道さんはコンサルタントとして活動されていますが、最初から今の仕事でフリーランスになったんですか?

仙道: いえ、色々手を出しては失敗していた時期があります。転売だとかアフィリエイトだとか、4つくらいやったんですけど、すぐにやめてしまいました。

なぜでしょうか。

仙道: 「稼がなきゃ」という気持ちが強すぎて、お金のためだけに働いていたんですよね。そうすると、せっかく「経済的な自由」を求めてフリーランスになったのに、結局お金の奴隷のようになってしまって、まったく自由になれかったんです。時間の自由もなかったですし、やりたいこともやっていませんでした。これでは続きませんよね。

「お金を追求しすぎること」のリスクは本の中でも書かれていましたね。フリーランスになると「稼げるときに1円でも多く稼ぐ」という思考になりやすいのではないかと思うのですが、これはあまりいいことではないのでしょうか。

仙道: せっかく自由を求めてフリーランスになったのに、お金ばかり追求していては、新たにお金という「上司」に従属するようなものです。こうなると、視野が狭くなりますし、フリーランスの仕事であっても「やらされている感」が出てしまうんですよね。

人間、やらされている感を持つと生産性が下がりますし、クリエイティビティもなくなります。そして、結果として稼げなくもなる。

優先順位はあくまで「やりたいこと」かどうかが先なんですね。

仙道: そうですね。やりたいことかどうかが第一で、そこに「社会性」を持たせられるかどうかが、フリーランスとして成功するには大切になります。

社会性というのは、お客さんの満足や幸せです。僕の経験上、それができていればお金はあとからついてくるもので、稼ぎたい気持ちよりも増して、やりたいことをやって社会に貢献しようという気持ちが強い人は成功しやすいでしょうね。

現在はフリーランスとしてやっていきたい方々のコンサルティングやコーチングが主な仕事になっている仙道さんですが、相談に来られる方はどんな方が多いのでしょうか。

仙道: 会社員や、公務員、主婦の方が多いです。私が開設しているフリーランスになるためのサポート講座でいうと、3人に2人はこれらの層です。

みなさんフリーランスでやりたいことがあって講座を受講されるんですか?

仙道: それは人によります。明確にやりたいことが決まっている人もいますし、「とにかく自由になりたい」っていう人もいます。

フリーランスとして成功している仙道さんですが、苦しいこともあったと思います。フリーランスになった当時不安だったことや苦しんだことについて教えていただきたいです。

仙道: やはり将来のお金の不安はありましたよね。フリーランスに退職金はないですし、年金だってもらえるかわかりません。一番の不安はそこだったと思います。

だけど、自分の中ではそういう不安より、最初にお話した「3つの自由」への渇望の方が大きかったんです。自由を失うくらいならお金の不安がある方がまだマシでした。

ただ、幸いにして軌道に乗るのは早かったんですよね。今の仕事を始めた最初の年の終わりの方には月に100万円くらいは安定して稼げるようになったので、そこで派遣社員として働いていたコールセンターは辞めました。

それまでにもアフィリエイトや転売などでフリーランスとして活動してこられたとおっしゃっていましたが、それらの仕事とコンサルティングの仕事では何が違ったのでしょうか。

仙道: 自分自身が楽しんでできたことが何よりの違いです。それまでやっていたことは本当に「お金のため」でしたから。

■フリーランスで成功するには「没頭できること」を探せ

本書では「没頭できるものがある人」がフリーランスとして成功すると書かれていました。仙道さんにとってのそれがコンサルティングだったのだと思いますが、「没頭できるもの」がないという人でも、見つけられるのでしょうか?

仙道: 見つけられます。もし見つからないとしたら、要因は2つあって、1つは「情報不足」です。どんな人だって世の中の職業を全部知っているわけじゃないですよね。もちろん、趣味や遊びについてもそうです。そういう情報を細かく取りに行っていないと、「これなら自分もできそう」という可能性を見つけにくいんです。

もう1つは、自分で「ハードル」を上げてしまうことです。せっかくアイデアがあって、没頭できることなのに「こんなのでは稼げない」と決めつけてしまう。僕のところに相談に来る方はこのパターンが多いですね。

自分が考えつくことなんて、他の人も考えるだろうと。

仙道: そうです。まあ、僕も最初はそうでしたけどね。

「没頭できること」を見つけるためのアドバイスをいただきたいです。

仙道: まず「過去」を基準に考えず、一度ゼロベースで「将来やりたいこと」を探してみることです。過去を基準にしている限り、可能性は狭まるので。

過去の実績やキャリアは関係なく、「未来側」の視点から考えてみて、そこで出てきた「やりたいこと」や「なりたい自分」を実現するための段階を思い描く方が、「没頭できること」は見つかりやすいと思いますし、何より自己実現を目指すのってパワーが出るしクリエイティブになれるんですよね。

フリーランスの世界に「ここまでのレベルにならないといけない」という一般的なラインは存在しません。資格が必要な一部の仕事は除くとして、基本的には顧客が満足すればいいわけですから。少なくともキャリアや実績がないと無理というわけではないことは知っていただきたいですね。

会社員の方がフリーランスになる場合、会社員時代に培ったスキルやノウハウをもとに仕事をしていくことが多いのでしょうか。

仙道: そういう方もいますが、かならずしも会社員時代の経験をそのまま生かしてフリーランスになるわけではありません。営業マンだった方が婚活アドバイザーとして成功した例もありますし、ホテルマンがコンサルタントとして活躍している例もあります。

もちろん、使えるキャリアは使った方がいいのですが、「過去こういうことをやってきたから、その経験を使って何かやろう」というように、自分の経験の延長線上で考えるだけだと、自分の可能性を狭めてしまいます。フリーランスとしてどんなことをやるかを考える時は、あくまで「やりたいこと」が第一の視点であるべきだとは思いますね。

仙道さんは「フリーランスとして愛される」ことに軸足をおいたコンサルティングや支援をされています。これは具体的にどんな支援になるのでしょうか。

仙道: 大きく分けて3つあります。1つは、平凡なキャリアであったり、キャリアらしいキャリアがない方が自分の強みや情熱を傾けられることを見つけて、フリーランスとしての活動をスタートする支援です。強みや情熱を見つけて、それを商品化する支援ですね。

2つ目はウェブ上でのブランディングや集客の仕組みを作ることです。短期間でお客さんを獲得するお手伝いになります。

3つ目が、フリーランスとして活動したいのに行動を起こせない人が抱えている心理的なブロックを外すことです。ブロックには色々あって、「自分なんかがお金をいただいてはいけない」という思い込みのブロックもありますし、「パソコン操作が苦手だから自分にはウェブを使った集客は無理」というブロックもあります。あとは「情報発信が怖い」というのもありますね。

どういうプロセスを経て強みを見つけるのでしょうか。

仙道: 色々なフレームワークを使っていますが、まずは「やりたいことを見つけるための19の質問」というものに答えていただいて、それを元にキャリアの棚卸と徹底的な自己分析をしていただいています。

ただ、それは「過去」の視点でしかないので、それにプラスして脳科学や認知科学を利用したワークを使ってゼロベースでやりたいことを考えていただくという流れです。

最後に、これからフリーランスとしてやっていきたい人、すでにフリーランスになったものの、あまりうまくいっていない人に向けてメッセージやアドバイスをお願いいたします。

仙道: まずはフリーランスになるにあたって「お金を稼がないといけない」という常識のブレーキを外していただきたいです。稼がないといけないと思うと行動を起こすのがおっくうになってしまいます。

「稼ぐ」よりも先に、「やりたいこと」をゼロベースで考えて複数挙げてみてください。ここはぜひ「自己中」にやっていただいて、これまで見えてこなかった自分の新しい可能性をたくさん探していただきたいです。

それから、「やりたいこと」に社会性を持たせるためにどうすればいいか、自己満足で終わらせないためにどうすればいいかを考えていく方が、エネルギーが乗りやすいのではないかと思います。人間って、一方的にやりたいことをやるだけだと、どこか後ろめたい気持ちになってしまうものです。自分がやりたいことをやることで、顧客が喜んでくれる、というのを目標にしていただきたいですね。

(新刊JP編集部)

書籍情報

目次

    1. はじめに
    2. 第1章
      楽しく働けて、仕事が途切れない。
      自分らしいキャリアを築くなら「愛されフリーランス」を目指そう
    3. 第2章
      愛されフリーランスになるためのルール①
      ポイントは「熱意を持ち続けられる」か。「得意なこと」より「寝落ちするまで没頭できること」を仕事に選ぶ
    4. 第3章
      愛されフリーランスになるためのルール②
      「やりたい仕事」をそのままやっても稼げない。社会のニーズに合わせて「稼げる仕事」に変化させる
    5. 第4章
      愛されフリーランスになるためのルール③
      モデリングからイノベーションへ。仕事の質と独自性を高めてファンを増やす
    6. 第5章
      愛されフリーランスになるためのルール④
      未来像を描いて、カタチにする。目標を成し遂げる精神力と思考法を身につける
    7. おわりに

プロフィール

仙道 達也(せんどう・たつや)
仙道 達也(せんどう・たつや)

仙道 達也(せんどう・たつや)

株式会社マーケティングフルサポート代表取締役。Webマーケティングコンサルタント、プロデューサー。大分県出身。ミュージシャンを志して上京するも芽が出ず、フリーターで食いつなぎながら、オンライン上での事業の差別化と集客ノウハウを独学で習得する。2014年に株式会社マーケティングフルサポートを設立。フリーランスになりたい人や起業したい人のためのWeb差別化や集客仕組み化を教える講座をはじめ、起業家、経営者向けのコンサルティング、プロモーション、広告代理などを実施。売上ゼロスタート、副業スタートの顧客が多い中、報告があるだけでも302名以上が100万〜1000万円以上の売上UPに成功。年商1000万円以上のフリーランスも140名以上育てる(2020年4月時点)。
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著者:仙道 達也
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