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2011年12月27日 19時配信

音楽業界で初めてファンクラブを作った意外な大物


音楽業界で初めてファンクラブを作った意外な大物の正体とは…?
音楽業界で初めてファンクラブを作った意外な大物の正体とは…?
 熱心な音楽ファンでもない限り、日本人でグレイトフル・デッドの名前を知っている人は少ないはずです。ビートルズやローリング・ストーンズとほぼ同じ長さのキャリアを持つ長寿バンドである彼らには目立ったヒット曲こそありませんが、1965年から、リーダーのガルシアが死んだ1995年までの間に、実に2300本以上のライブを行い、13枚のアルバムを世に送り出しました。欧米には数多くのフォロワーを持ち、彼らの影響を受けたというバンドは数知れません。
 そして今、彼らが長年行ってきた活動が、マーケティングの手法としてとても優れたものであったとして話題になっています。
 『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン/著、渡辺由佳里/訳、糸井重里/監修・解説、日経BP社/刊)には、そんなグレイトフル・デッドのファン獲得“マーケティング”の手法が解説されているので、一部紹介します。

■まずは、業界の思い込みを見直す
 ミュージシャンにとって、レコードアルバムの売り上げが主な収入源であり、ライブやツアーはアルバムを売るために行う、というのが長年ミュージシャンの間で常識とされていました。
 だから、ライブの曲目は新しいアルバムに収録された新曲と、そのミュージシャンの「ベスト・ソング」を混ぜ合わせたもので、基本的に毎晩同じ曲を演奏していました。
 しかし、グレイトフル・デッドはこの常識を覆しました。アルバムを売ることに重点を置くのではなく、ライブから収入を得ることに全力を注いだのです。そうなると、ツアー中のライブも、他のミュージシャンたちとは一線を画したものになります。
 彼らはライブの度に曲目を変え、同じ曲でも演奏の仕方にバリエーションを持たせました。つまり、同じ人が何度見ても楽しめるライブを作り上げたのです。
 これは、他のミュージシャンたちがアルバムという「製品」を磨こうとしていたのに対し、グレイトフル・デッドは独自の「ビジネスモデル」を編み出したということに他なりません。これは、企業が行うマーケティングでも必須の視点です。

■バラエティに富んだチームを作る
 演奏技術という点では、グレイトフル・デッドよりも優れたバンドはたくさんあります。そんな彼らが独自の音楽を作り上げることができた要因として挙げられるのは、メンバーのそれぞれが全く異なった音楽経験を積んできたことです。ギタリストのジェリー・ガルシアはギターの他にバンジョーも演奏できましたし、べーシストのフィル・レッシュは、元々はジャズのトランペット奏者でした。彼はグレイトフル・デッドの活動を通してベースの演奏を身につけていったわけですが、ベースに対する先入観がなかったおかげで常識にとらわれない柔軟な演奏ができるようになっていきました。
 もし彼らがみな、ロックバンドしか経験していないミュージシャンだったとしたら、グレイトフル・デッドのサウンドにこれほどの独自性を与えることはできなかったかもしれません。こういった事実も、マーケティング・チームの編成に当てはめると非常に示唆的ですね。

■音楽業界でいち早くデータベース・マーケティングを取り入れた
 一般的にロックミュージシャンは、音楽一筋でビジネスの知識は乏しいと思われがちですが、グレイトフル・デッドはビジネスに対する先見の明があったことがわかっています。
 その証拠に、彼らは音楽業界でいち早くデータベース・マーケティングを取り入れていたのです。
 彼らは1968年に、バンドのファンだったスコット・ブラウンをアルバム制作コーディネーターとして雇いました。ブラウンはアルバム制作のかたわら、全てのライブチケット販売所に人を配置して、何千人ものファンに会員登録をさせました。これは数年でファンクラブへと発展していきます。
 当時としては、このアイデアは過激なものでしたが、結果として大きな成功を収め、グレイトフル・デッドのファンは増え続けました。
 既存の手法のとらわれない、実験的な試みを仕掛けてみるというのも、マーケティングには不可欠です。

 今回紹介したものはグレイトフル・デッドのマーケティングのほんの一部です。本書には彼らが行ってきた、当時としては革新的な取り組みが、時代の空気や音楽的な足跡と共に紹介されています。
 いい商品を作れば売れる時代は終わったといわれる今だからこそ、彼らのマーケティング手法は学ぶ価値があるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)


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