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2011年10月25日 18時配信

今、ディズニーランドで一番人気の仕事とは?―鎌田洋さんに聞く(後)


今、ディズニーランドで一番人気の仕事とは? 鎌田洋さんに聞く
今、ディズニーランドで一番人気の仕事とは? 鎌田洋さんに聞く
 ディズニーランドで働く人たち(キャスト)のホスピタリティについては多くの人が絶賛をしていますが、どうしてなのでしょうか。
 初代ナイトカストーディアル・トレーナー兼エリアスーパーバイザーとして1983年の東京ディズニーランド開園を迎え、その後、オリエンタルランド全スタッフの指導、育成を担当した鎌田洋さんが執筆した『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』(ソフトバンククリエイティブ/刊)には、カストーディアルと呼ばれる清掃員たちの物語を通して、そのホスピタリティがどのように受け継がれているのかが描かれています。

 そんな鎌田さんへのインタビュー後編では、鎌田さんの“師匠”でもあるディズニーランド初代カストーディアル・マネージャーのチャック・ボヤージンさんの話や鎌田さんご自身の話についてうかがっています。


■カストーディアルはディズニーランドで今、一番人気の仕事

―私の知り合いに東京ディズニーランドでキャストとして働きたいという人がいるんですが、本当にディズニーランドのことが好きで、とにかく詳しいんですよね。

鎌田さん(以下、鎌田)「そうなんですよね。実は社員よりもディズニーランドに詳しいんじゃないかというくらい(笑)。それで、ディズニーのホスピタリティをどう表現するかと、“お節介サービス”なんです。つまり、お客さんが期待する以上のサービスをしなさいと教えられます。そしてこんな風にしたらお客さんはもっと喜ぶんじゃないか、と自分で考え始めるんですが、そういうときはマニュアルに載っていないことをやってもいいんですよ。
例えば、最近だと雨の水溜りの水を利用して絵を描いてゲストから拍手をいただいたりするそうですが、それはOKなんですよ。ゲストが楽しめるものはどんどんやりなさい、と。だから、キャストも楽しめるんです」

―本書では清掃員、ディズニーランドでは「カストーディアル」と呼ばれていますが、彼らの物語が描かれています。すごくやりがいのある仕事だと読んでいて思ったのですが…。

鎌田「ありますよ。実は今、カストーディアルが一番人気なんです。私が入社した開園当初じゃ考えられない(笑)。雨が降っても、寒くても外でやらなければいけない仕事ですが、実は自由度が一番高いんです。自分のエリア内でどう回ろうと自由なんですよ。それに、ゲストの皆さんと一番直にコミュニケーションが取れるんです。つまり、お客さんを喜ばせるチャンスが一番多い」

―人気があるということは、カストーディアルの方々の仕事ぶりをゲストさんはちゃんと見ているということですよね。

鎌田「そうなんですよ。そして、格好いいと思われているんです。知識は豊富だしね。ディズニーランドの色んなことを知っていますから。
また、オリエンタルランドの方も、彼らがゲストとコミュニケーションを取りやすい仕組みをちゃんと用意していて、サポートする仕組みを作っているんですよね。だからますます(仕事が)好きになってしまうんです」

―そんな土台をつくり上げてきたのが鎌田さんたちですよね。本書の中に、ディズニーランド初代カストーディアル・マネージャーのチャック・ボヤージンさんという方が出てきます。この方は本書の主人公である金田のホスピタリティの師匠で、実際に鎌田さんご自身も指導していただいたそうですが、ボヤージンさんはどんな方でしたか?

鎌田「これは私のリーダーシップセミナーでもお話をさせていただいているのですが、リーダーにとって大事なのは“勇気”と“思いやり”のバランスなんです。勇気というのは、相手が傷ついてしまうようなことでも言わないといけないときはしっかり言うということです。私もボヤージンさんには厳しく言われたこともありましたが、私に対して愛情を持って言ってくれているんだ、ということが分かる方でしたね。
あと、説教を受けて、至らない部分をガツンと指摘されると人間は落ち込むじゃないですか。そうするとね、彼は必ずフォローするんですよ。『寿司を食べに行くか』って」

―寿司なんですね(笑)

鎌田「怒ったあとは必ず寿司なんですよ(笑)。(東京ディズニーランドのある)浦安は寿司屋で外れがないんです。ボヤージンさんは寿司が大好きだったから、夜みんなを引き連れて寿司屋に連れて行くんですよ。だから“勇気”と“思いやり”のバランスが取れている人ですよね」

―鎌田さんご自身のお話を聞かせていただきたいと思います。もともと商社・ハウスメーカーに勤めていらっしゃって、その後、東京ディズニーランドで働きたいと5回入社試験を受けて、オリエンタルランドに入社されたとのことですが、それまでの安定した生活を30代で、しかも家族がいる状況で変えるというのはすごい勇気がいることだと思うのですが…。

鎌田「基本的に、私は楽観主義者なんです。思い立つとすごく行動しちゃうんですよね。私の人生においては先を考えない。自分が今、やりたいことがあって、それが出来ることならすぐにやりたいんです。
そのときも、もともと勤めていた会社が商社ということもあって、あまりお客様とのふれあいがなくて、自分たちの商品はその後どうなったのかということは二の次で数字だけの世界にいたんですね。でも、仲間たちはみんな良い人で、仕事が嫌でやめたわけではなくて、本場のディズニーランドを新婚旅行で体験したときに、本物の世界があるように思えたんです。表向きのきれいごとではなくて、本当にディズニの世界が実現しているように感じましたし、キャストたちがこだわって仕事をしていたんです。それに、小さい頃からウォルト・ディズニーのテレビを見ていたから、憧れもあったんですよね」

―ディズニーを目指している方々は、鎌田さんみたいにディズニーに夢を与えられて、自分も夢を与えたいという想いが強いように思います。

鎌田「人が喜ぶ顔を見て、自分が喜ぶということにハマってしまっているのかも知れませんね。
顧客満足(CS)は想像力から生まれるんですよ。この人はどんなことを思っているのか、何を求めているのか、それを想像力を働かせて、実際に対応することなんです。だから想像力がない人にはCSはできません」

―では、今の鎌田さんの夢はなんですか?

鎌田「たくさんあるのですが、私が今、61歳ですから、あと5年間で後継者を育てたいと思っています。あと、私が60歳になったとき、30年計画を立てたんですよ。90歳まで生きる、と(笑)。で、今やっているセミナー事業からは10年間で卒業しようかなと思っています。その後は、70歳から80歳まで、世界を旅して回りたいですね。もともと船乗りになりかったのですが、目が悪くてなれなかったんです。あとは本も書きたいですね。この本を書いている最中、書きたいことがたくさん出てきて、若い人たちに夢を与えるような本をいっぱい書きたいと思っています」

―最後に、読者の皆様に読みどころやメッセージなどをお願いできればと思います。

鎌田「多くの方に読んでいただいたいと思っていますが、特に若い人で、仕事の悩みを持っている方には是非読んでもらいたいですね。あとは小説形式にまとめているので楽しく読んで欲しいです。
いろいろなドラマがあって、今のディズニーランドがあるんだということです。まだ書いていない、とっておきの物語が山ほどありますよ」

―では、次回作以降に期待したいと思います。

鎌田「そうですね。次回の本で書きたいと思います。涙が流れるようなドラマがいっぱいありますから」

(了)


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