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2011年09月08日 19時配信

コロコロ代わる大臣に対する官僚の対応


コロコロ代わる大臣に対する官僚の対応
コロコロ代わる大臣に対する官僚の対応
 2011年9月2日、菅内閣の退陣を受けた民主党の代表選挙で勝利した野田佳彦氏を総理大臣とする野田内閣が発足した。菅内閣から引き継いだ課題に加え、震災復興やそのための財源確保など、これまでにないほどの大きな課題に取り組まねばならないこの新内閣、メディア報道を見ても、今のところは期待のニュアンスを含んだものが目立つが、ここ数年の国内政治は長い停滞の中にあるというのが事実。早いうちに何某かの成果を上げることができなければ、各メディアが批判に転じる日は近いだろう。
 ところで、政治家の良きパートナーとしての役割が期待される官僚や役人は、現在の政治をどのように感じているのだろうか。今回は著書、『「規制」を変えれば電気も足りる』(小学館/刊)が話題を呼んでいる、元経済産業省の役人であり、現在は政策コンサルタントとして活躍している原英史さんにお話を聞いた。

■「大臣っていうのはせいぜい非常勤の会長とか、警察署の一日署長とか、そのくらいの認識」
―菅内閣の退陣が決まり(このインタビューが行われたのは2011年8月26日)またもや首相が代わるということになりましたが、ここまでの民主党政権についてどのように評価していらっしゃいますか。

原「全然ダメですね(笑)振り返って言えば、政権交代直後の民主党はそれまでの自民党政権とは違う、新しいことをやろうという意気込みだけは多少持っていたと思うんですね。国民が期待していたのもまさしくそういうことでした。それまでの自民党政権が様々なしがらみにとらわれ官僚ベッタリになってしまい、本来なら改革しなければならないのにやり損なってしまったことが澱のように積もっていた。それを政権交代でしがらみのない人たちがやってきたら何とかしてくれるんじゃないか、ということですね。実際、最初のうちは多少やる気だったと思うんですけども、結局はやっているうちに自分たちも既得権構造やしがらみにはまりこんで、何もできなくなった。今や大連立などと言われていますけども、要は自民党と一緒になってしまったということです」

―ここ数年、首相が短期間で交代を繰り返していますが、内閣が頻繁に代わることで役人の方々のお仕事にはどのような影響がありますか?

原「“どうせあの人たちはすぐ代わるから関係ないや”となりますよね。
過去に遡ると、もう少し長くやることも少なくなかったですが、最近はちょっと代わり過ぎっていうくらいで、総理は1年交代が標準、大臣はもっと短期で代わっていきます。そうなると、どうしても各省庁ではお客さん扱いになるんです。一応、省庁のトップということになっているけど政策の中身を何もわかってない。つまり、実権は全然ない。
役所の構造って大臣がいてその下に副大臣、政務官、ここまでが政治家で、その下に事務次官や局長という、いわゆる官僚と呼ばれる人たちがいます。普通に考えれば大臣が役所のトップなのですが、役所の人の感覚では全然違うんです。あくまで企業でいうところの社長は事務次官であり、大臣っていうのはせいぜい非常勤の会長さんとか顧問とか、警察署の一日署長さんとか、そのくらいの認識ですね」

―そうなると、大臣から何か言われてもまともには取り合わないということも出てくるのではないでしょうか。

原「もちろんケースバイケースでしょうけども、あえてステレオタイプ的に言えば、そもそも大臣は中身がよくわかっていないから政策に口を出すこともしません。だから全部事務次官以下でお膳立てをします。こういう政策を作りました、大臣のところに持って行って、判子だけもらうっていうスタイルになります。
大臣の在任期間が短いほどそうなりがちです。一年では役所の仕事に精通することはなかなかできません。それに、組織を握るっていうのは人事面までこの人が見てるんだ、ということがわかってはじめて組織のマネジメントになるわけです。“この人の方針に沿って高い評価を得ておかないと出世できない”ということなら、どうしたってその人のことを見るじゃないですか。ところが、大臣っていうのはせいぜい一年、ここ最近は数か月で代わってしまうわけですよ。だから政策の中身はわからないし、自分の人事にも関係ない。重視すべきなのは官僚の先輩たちだと思うわけですよね」

―率直なご意見として、官僚と政治家、どちらが国を動かしているとお考えですか?

原「現状を見ると、これは明らかに役人でしょうね」

次回:官僚から見た「優秀な政治家」とは? につづく

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