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2010年05月18日 19時配信

忌野清志郎が化粧をしてステージに上がった理由


忌野清志郎の歴史と日本のロックの歴史を振り返ることができる。
忌野清志郎の歴史と日本のロックの歴史を振り返ることができる。
 2009年5月に癌でこの世を去ったミュージシャン・忌野清志郎のトレードマークといえば、奇抜な服装と化粧だ。
 そんな清志郎が初めて化粧をしてステージに立ったのがいつだったかご存じだろうか。

 1978年の9月17日、東京・渋谷のライブハウス「屋根裏」でのステージ前、当時彼が所属していた「RCサクセション」がリハーサルを終えた時のことだったという。

 その日、清志郎は中学時代から続けてきた長髪を切り、寿司屋の板前のような短髪で楽屋に現れた。そして開演の直前、スタッフの池畑由美に突然、化粧をしてくれるように頼んだのだそうだ。
 清志郎本人は『ある日冗談半分で化粧してステージに上がった』(『GOTTA―忌野清志郎』)と語っていたが、『忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい』(神山典士/著、アスコム/刊)によると、この一件には別の側面があることが見えてくる。

 当時の清志郎は、RCサクセションとして1970年にシングル『宝くじは買わない』でデビューしたものの、泣かず飛ばずの状態。バンドの「暗黒時代」の真っただ中にいた。
 なかなか売れずにいることに加えて、満足いくメンバーにも恵まれず、演奏面でも歯がゆさを感じていたのだろう。「化粧」はそんな当時の状況を何とか打開するための、彼なりの「変身」だったという。

 『忌野清志郎が聴こえる 愛しあってるかい』は、ロックミュージシャン・忌野清志郎の生涯を、関係者への綿密な取材を元に、立体的にまとめ上げている。清志郎の活動のみを追うのではなくRCサクセションのギタリストだった仲井戸麗市や井上陽水、矢沢永吉などの大物ミュージシャン達との接点についても触れているので、当時の音楽シーンの様子がリアルに伝わる。
 忌野清志郎の歴史と日本の音楽シーンの歴史を同時に読むことができるという意味では、読み応えのある一冊だ。
(新刊JP編集部/山田洋介)



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