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2010年04月23日 17時配信

村上春樹の名作、実はパロディ?


 絵画でも小説でも音楽でも、優れた作品は昔から模倣やパロディの対象になってきました。内容を丸パクリするのはいけませんが、ちょっとしたパロディならシャレとして楽しめますし、その人の創作者としてのバックグラウンドを知ることもできます。
 また、かつて作家の阿部和重が文壇の重鎮である島田雅彦を揶揄して『課長 島雅彦』(『課長 島耕作』のパロディ)という短編を発表したりなど、パロディはエピソードの宝庫でもあります。
 そこで今回は、過去の名作小説のタイトルをもじった(と思われる)作品を探してみました。

『百年の誤読』(岡野宏文・豊崎由美/著 ぴあ/刊)


 言わずと知れたガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』がタイトルのモチーフになっていると思われます。
 『百年の孤独』はブレンディア一族の盛衰を描いた長編小説ですが、『百年の誤読』は文芸対談です。他にも谷川俊太郎の詩集に『二十億光年の孤独』(長い…!)というのがあったり、武藤健城著/日本図書刊行会刊の『8年の孤独』(短い…)という本もありました。
 あとはゴルゴ13に『五十年の孤独』という作品もあります。

『1973年のピンボール』(村上春樹/講談社)


 村上春樹ファンからの評価が高い『1973年のピンボール』ですが、タイトルの元ネタは『万延元年のフットボール』(大江健三郎/講談社)のようです。こちらは他にも筒井康隆の『万延元年のラグビー』『紀元2600年のプレイボール』(大和和紀・漫画)など、多くのパロディを生んでいます。

『ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話』(マネー・ヘッタ・チャン/経済界)


 かの有名な童話『ヘンゼルとグレーテル』のパロディ。しかしこちらは経済やそれを巡る社会の構造を解説しているビジネス書です。『日本タイトルだけ大賞2009』大賞も受賞している通り、ユーモア満点ですね。

日本以外全部沈没―パニック短篇集(筒井康隆/角川書店)


 小松左京の『日本沈没』が元ネタです。それにしても筒井康隆氏は上述の『万延元年のラグビー』といい、『アホの壁』(養老孟司『バカの壁』が元ネタ)といい、タイトルをもじるのが好きみたいですね。

『弩暗・真暗―DOGURA・MAGURA』(正木一郎/近代文芸社)
 こちらは夢野久作『ドグラ・マグラ』が元ネタですね。ちなみに元ネタには「正木」という人物が登場しますが、『弩暗・真暗―DOGURA・MAGURA』の著者も正木さん…。これは偶然でしょうかね。。

『午前三時のルースター』(垣根涼介/文藝春秋)
 これは番外編。本ではありませんが、先日解散したロックバンド「ゆらゆら帝国」に『午前3時のファズギター』という曲があったり、沢田研二にも『午前3時のエレベーター』という曲があります。パロディかどうかはわかりませんが、なんとなく響きが似ていたので念のため書いておきます。

 もうすぐゴールデンウィークが始まりますが、何もやることがなくて困っているという人は好きな本や作家の背景を調べてみると面白いかもしれません。それが意外な名作のパロディだったりすると…なぜか少しだけうれしい気持ちになるものです。
(新刊JP編集部/山田洋介)



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