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2010年04月06日 14時配信

就職率最低の時代でも企業が欲しがる学生の特性を探れ!電通の人事局に突撃!


 昨今の不況を受けて、今春卒業予定の大学生の就職内定率が過去最低の水準となるなど、まだまだ就職活動戦線は冬の時代が続きそうな気配だ。
 なんとか企業からの内定を取りたい学生に向けて、エントリーシートの書き方にはじまり、面接対策にいたるまで、ありとあらゆる“就活本”が出版されているが、そういった状況を企業の人事担当者はどのように見ているのか。また、この不況下でも企業が必要とする学生とはどんな人材なのだろうか。

 今回は、昔も今も学生から高い人気を誇っている世界最大の広告会社・電通にお邪魔し、人事局の菅さんにお話を伺った。


■電通は「フロアによってガラッと雰囲気が変わる」

―今も昔も、就活生の人気企業ランキングで上位の常連である電通ですが、社内の雰囲気や社風はどのようなものなのでしょうか?

菅「様々な人が集まってそれぞれに活動すると同時に、組織として有機的なまとまりをもっている会社です。面白いアイデアを実現可能にするための自由な空気があると思います。一部の学生からは、年功序列的な会社だと誤解されているようですが、実際勤めてみるとそんなことはありません。
ただ、フロアが変わっただけでもガラッと雰囲気が違ったりもするので、一言で社風を語るのはむずかしいです。」

―その中でも菅さんの在籍する人事局の雰囲気はどのような感じですか?

菅「管理部門と聞くと、ちょっと地味な職場をイメージするかもしれませんが、みんなとても明るくて仲がいいです。
入社してから人事一筋ではなくて、何らかの形で現場の部署を経験している人が多いので、対人折衝・コミュニケーションに長けている人が集まっているということでそういう雰囲気になっているのではないかと思います」

―順調にキャリアを重ねていく方もいるなか、残念ながら途中で断念してしまう方もいるかと思います。電通で成功する人というのはどういった方なのでしょうか。

菅「電通で成功している人というのは、たとえば最初は興味がなかった商品を担当することになったとしても、それをやがて面白い仕事に変えていける人。今好きなことしかやらないということではなく、またがむしゃらに前向きなだけということだけでもなく、そういう風に考えていける人は素晴らしいと思います。
例えば、一般論ですが、男性に対して女性用化粧品に興味を持てと言っても、最初は難しいかもしれません。ただ、そういう場合でも面白いアイデアを駆使して魅力ある仕事を生みながら、自分もそれを楽しんでいる。そういうことができる人材が電通にはいます。」

―電通に入社後、転職や独立をする方はいらっしゃいますか?

菅「起業したり転職したりする人はごくたまにいますが、あまり多くないように見受けられます。会社の雰囲気のお話に戻ってしまいますが、居心地のいい会社だとは思います」

■不況でも企業が欲しい学生とは?

―人事・採用というお仕事で求められる能力とはどんなものでしょうか。

菅「観察力・洞察力というところになると思いますけども、自分の会社に足りないものを補ってくれる人はどんな人なんだろうと想像できる力。広い意味での、人に対する想像力が求められるのではないでしょうか。電通は様々な個性が集まっている会社ですが、今後も多様な人材を迎えて、つねに新しいビジネスを創出していきたいですね」

―学生の方々に向けて、社会人として働く前に身につけておいた方がいい能力がありましたら教えてください。

菅「社会に出てみて、そこで揉まれて、いくつかの洗礼を浴びて、そこから学習していくというのは今も昔も変わらないと思いますが、最近の傾向としては、より短期間で結果を求められるようになってきているかもしれません。あと、学生のみなさんからOAスキルや英語に関して“どれくらいできれば大丈夫ですか?”とよく聞かれるのですが、できればできるほどいいに決まっています。本当のことを言えば相当のレベルでできた方がいいと思っています」

―ここ最近は不況のせいか新卒の就職内定率は低い水準となっていますが、そのような状況でも企業が欲する人材とはどのような人物なのでしょうか?

菅「一概には言えませんが、自分の頭でものを考えられて、それがブレない人ではないでしょうか。
就職活動中は色々な噂に流されたり、人に影響されたりして自分を見失いがちになりますが、そうなりそうな自分を自覚しつつも、最後は自分の頭で考えて行動できる人。
また、どの業界に興味を持つにしても、その業界で行われていることに興味を持つだけに終わらず、さらに“まだこういうことは行われていないから、将来はこういうことができるのではないか?”というように、まだ存在しないものをイメージして目標を立てられる人は素晴らしいですね。

―そういった学生は面接で見分けられるものなのでしょうか。

菅「ある程度までは見分けられますが、100%は難しいです。それは面談をする側の眼力の問題もあるでしょう。しかし、明らかに突出した人物を見落とすことはまずないと思っています。」

―今は突出しているわけではなくても、入社してからどんどん伸びていくこともあるでしょうしね。

菅「選考が始まると一日中、たくさんの学生と面談するのですが、一日が終わり、家に帰って布団に入った時、面談で光っていた人のことはなぜか勝手に思い出すものです。面談の場で“この人はいいな”と思うこともありますが、それ以外にも、何か光るものがあった人はしばらく経ってから、思い出そうとしなくても思い出してしまいます」

―どんな点が面接官に“光っている”という印象を与えるのでしょうか?

菅「自分の頭で考え、自分の言葉で話し、かつ面談員を自分の土俵に引き込める力のある人といいますか。そういう人は何か一つ光るもの、独自のものを持っているのだろうと思います」

―それだけの大人数と面接をすると、参考書や面接マニュアルを読んだだけの人とそうでない人というのは見分けられそうですね。

菅「そうですね、これは作ってきているな、というのはきっとわかると思います。
不思議なことに、20年前に僕が就職活動をしていた頃から今日まで、いろいろな就活関連本や面接テクニック本が出ている割に、そこのところはほとんど何も変わっていない気がします」


―最後に、電通で働きたいと考えている学生にメッセージがありましたらお願いします。

菅「人のやらないことをやってください、ということに尽きます。
みなと同じようなリクルートスーツを着て、同じようなマニュアル本を読んで、同じことをしている集団の中で頑張っていると、ある種の安心感に包まれるのでしょうが、それは危ないと思います。自分の内なる心の声に耳を傾けて、自分が本当にやりたいことをよく考えたうえで、それを人とはちがう形でアピールするべきです。
やや逆説的ですが、組織の中で活躍できる人間であるためには、考え方がただ組織的なだけではダメなのではないでしょうか。組織の中でいい仕事をしつつ、頭の中では独自の考えを持っていなければいけません。組織人に求められる能力と、他人のやらないようなことにチャレンジするという独創力とは両立するものだと私は思っています」

■取材後記
 菅さんは慎重に言葉を選びつつ、的確な表現で現在の新卒採用の状況や、評価される学生の特徴について語ってくれた。
 おすすめの本を紹介してください、というお願いに対して教えていただいた『コミュニケーションデザイン』は昔に比べて広告のメッセージが消費者に届きにくくなっていると言われている現在でも、工夫やアイデア次第でメッセージは消費者に届くという事例を紹介しているので、この業界に関心を持っている人は参考にしてみてほしい。

 「日々生活をしていて広告を目にすることは多いですが、それを仕事として考えると何をしているのかよくわからないという学生さんは多いと思います。この本はそれが良くまとめてあって、メイキング映像のように楽しく読めると思います」(菅さん)

(取材・記事/新刊JP編集部・山田洋介)



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