だれかに話したくなる本の話

見返り美人になりきる?!びじゅチューン×トーハク企画

提供: 新刊JP編集部

新刊JPデザイナーのハチマルです。
まだまだ暑い日が続きますね。そんなときは涼しい博物館で美術鑑賞はいかがでしょうか。
 
現在、東京国立博物館では「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」が開催中です。(2018年9月9日まで)
企画の頭に「親と子」とつくものの、大人も楽しい体験型の展示でした。
 

 
今回、東京国立博物館がコラボをしている「びじゅチューン」といえば、アーティストの井上涼さんが、美術作品をユニークな歌とアニメで表現するNHKの番組です。
作品は公式サイトからも見ることができるので、気になった方はぜひご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/bijutune/
 
入口では「見返り美人」がくるくると見返り続けていました。
 


 
あまり見返りすぎると宇宙まで飛んで行ってしまいそうですね。
 
今回の展示のキーワードは「なりきり」。
例えば、菱川師宣筆「見返り美人図」をテーマに作られた展示作品、「見返らなくてもほぼ美人」は、スクリーンの前で体を動かすと、画面の中の「見返り美人」が、同じポーズをとってくれます。
あなただけの角度で愛しのジョセフを見つめましょう。
 
また、葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」をテーマにした作品、「体感! ザパーン ドプーン 北斎」は大迫力!約7.5メートルの特大スクリーンに大きな波が映し出されます。ちょうど絵の中の人物と実際の人が同じぐらいのサイズなので、絵の中に入り込んだ気分を体験することができます。
びじゅチューンでは富士山に恋をした波が、気づいてもらおうと高く高くアピールする様子が歌になっていました。
こちらの展示では波になった気持ちで「富士山――――――!!!!!」と叫ぶと、声の大きさによって波の高さが変わります。
設置されているマイクの前で叫んだ人の声が波の高さに反映されるのですが、その場にいる人みんなが叫んでいて、会場は謎の一体感に包まれていました。
 
他にも、岸田劉生の「麗子微笑」をテーマにした「顔 パフォーマー麗子」など、びじゅチューンファンにはたまらない展示の数々を楽しむことができました。
 
また、絵そのものだけではなく、版画の摺師になりきれる企画も。
歌川広重の浮世絵「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」をテーマにした企画、「雨は愛すがどう描く?」は、有名なあの橋の絵に、スタンプを使って雨を降らせることができます。
実際の版画とはもちろん違う作業ですが、絵を仕上げる一番オイシイところを楽しめるので、まるで自分が大作を作り上げたかのような達成感を味わえます。
 

 
こちらが筆者の作品。
スタンプを押しただけですが、「筆者の作品」です。
これからは「広重の絵に雨を降らせた女」として胸をはって生きていきたいと思います。
 
また、絵だけではなく能面の小面や、縄文土器(火焰型土器)のレプリカに触ることができる展示も。
 

 
後ろで踊っている縄文土器先生が最高に可愛いですね。
 
いま東京国立博物館では、特別展「縄文-1万年の美の鼓動」も開催されているので、そちらも合わせて鑑賞すると、より作品への理解が深まるでしょう。(2018年9月2日まで)
 

 
似たようなレイアウトなのに、雰囲気にとても差がある。
 
びじゅチューンの展示を観てから、本物の作品を鑑賞できるのも、博物館コラボならでは。
ぜひ夏の思い出に足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
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ハチマル

本業はデザイナーだが、成り行きで記事を書くことに。
好きなジャンルは時代小説・手芸本。

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