だれかに話したくなる本の話

2016年本屋大賞に宮下奈都さんの『羊と鋼の森』 かつては書店員の応援団もできる

全国の書店員が「いちばん!売りたい本」を決める「2016年本屋大賞」が4月12日に発表され、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(文藝春秋刊)が第1位となった。

『羊と鋼の森』はピアノの音色に魅せられた一人の青年が成長していく姿を描いた長編小説で、2015年9月11日に刊行され、現在まで33万2500部が発行されている。

著者の宮下奈都さんは、2004年「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選し、デビュー。書店員からの人気は以前から高く、ツイッター上で書店員による宮下さんの応援団ができたこともある。2010年に出版した『田舎の紳士服店のモデルの妻』(文藝春秋刊)について新刊JPがインタビューを行った際に、次のように語っていた。

=====(新刊JP「ベストセラーズインタビュー第26回 宮下奈都さん」より)

―書店員の方々を中心にツイッターで宮下さんの応援団ができたということですが、そのことについてどのようなご感想をお持ちになりましたか?

宮下:“こうなったらいいな”とさえ思いもしないことだったので、もう本当に嬉しかったです。自分が思っていたよりももっとずっといいことが起きたという感じでしたね。“願えば叶うって言うけど、願わなくてもこんなにいいことがあるんだな”って思ったくらい、本当に嬉しくてありがたかったです。

ツイッター上で、書店員さんの方々でおもしろいことをやってみよう、一冊の本を仕掛けようと言っているところからちょうど私も見ていたんですよ。“宮下奈都の『スコーレNo.4』がいいと思う”ってつぶやいてくださった方がいて、うれしい!でもまさか通らないだろうと思ったんですけど、たくさんの方々が賛同して下さったようです。

先日また『スコーレNO.4』(光文社刊)が増刷されたんです。絶対応援団のお陰だと思いますね。

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今回、書店員の熱烈な応援によって、本屋大賞第1位という栄冠に輝いた宮下奈都さん。出版社を通して、「たくさんの方に読んでいただけたら幸せです。これからも、好きな物語を書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」と喜びのコメントを寄せている。

(新刊JP編集部)