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還暦後を見据えて40代から取り入れておきたい習慣とは

人生100年時代と言われるようになり、人生の節目となる還暦(60歳)を迎えてからも20年、30年と人生は続く。智慧と教養を備えた魅力ある60歳以降へ向けて、40代、50代のうちから準備をしておく必要がある。では、どのような習慣を普段の生活の中で身につけていけばよいのか。

最強の60歳指南書(齋藤孝著、祥伝社刊)では、明治大学文学部教授の齋藤孝氏が、還暦の自分へ向け40代、50代から始める99の習慣を紹介する。

■還暦後を見据えて40代から取り入れておきたい習慣とは

60歳を過ぎたら時間に余裕が出てくる人も多いだろう。自由な時間をどう過ごしていいかわからず、退屈に思ってしまうかもしれない。けれど、「退屈」を楽しめることも人生では大事なこと。ぼーっとした時間を何もせずに過ごせる人は、実は心が穏やかな状態にあるといえる。退屈を苦痛に思わない、むしろ楽しめる「退屈力」を多くの人が身につけられれば、生きづらさを覚える人も減っていくだろう。

たとえば、日向ぼっこは、陽だまりでゴロゴロするだけで、非生産的な行為にも見えるが、やってみるとストレスが消えて心が穏やかになる。科学的には、日光を浴びることでセロトニンが分泌され、精神が安定するという理屈もある。

人生とは緊張と緩和、静と動、多忙と退屈の繰り返し。このメリハリの中で退屈を楽しめる生活習慣の心得を身につけておくといい。

一生懸命に取り組むことも大事だが、壮年期の40、50代を過ぎると、心も身体も持久力が下がりがちになる。そんなときにオススメなのが、「脱力のススメ」だ。普段はフラットな状態でリラックスしながら、ここぞというポイントで本気を出す。抜くところは抜いて、決めるところは決める。そうすることで、気力や体力を効率的に使うことができ、日常を穏やかに過ごすことができる。この習慣を得ておくと、肩の力が抜けて心の構えをゆったりさせることができ、何事にも柔軟に対応できるようになる。すべてにアクセルを踏むのではなく、メリハリを持たせることがこの年代の生き方の秘訣なのだ。

また、完璧を目指さずに最初のゴールを60~70点くらいに設定し、最低限のノルマに達したときは、残りはラッキーなオマケと受けとめる。齋藤氏はこれを「6割主義」となづけている。物事を白か黒か、勝ちか負けかをはっきりさせるのではなく、6割主義にすることで、心に余裕も生まれるはずだ。

60代は所属していた組織を離れ、人生の再設計を考える時期でもある。心豊かな充実した人生後半を過ごすためにも40、50代のうちから準備をしてみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)

最強の60歳指南書

最強の60歳指南書

還暦(60歳)を迎えるということは、言わば人生が一回りして新しく生まれ変わることを意味している。
多くの人にとって、所属する組織を離れ、「人生の再設計」を考える時期になるだろう。
しかし、あわてて準備をすると、充実した60代を過ごすのは難しくなる。
本書は、若さと知性を保った魅力ある60歳になるために、取り組んでおきたい習慣を紹介する。
いずれもすぐに試せるものばかりで、難しいものはない。一つひとつが「人生百年時代」の自分への最高の投資となる。
明治の実業家・渋沢栄一は、知恵と情愛と意思を均等に保って成長した人を「完(まつた)き人」と言った。
本書で紹介する習慣を取り入れ、「完き60歳」を目指してほしい。

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この記事のライター

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T・N

ライター。寡黙だが味わい深い文章を書く。SNSはやっていない。

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