だれかに話したくなる本の話

女性が職場で認められるために…コメディアンのユーモラスなアドバイス

「男女平等」が謳われる世の中だが、それでもビジネスの世界はまだまだ女性は男性と比べると不遇だったりする。大した結果も出していない男性社員がとんとん拍子に出世していくのに対して、女性が出世するためには男性の何倍も成果を出さなければいけなかったり、女性というだけで耳に痛いことを直言すると煙たがられてしまったり…。

ただ、こういったことが日本に限らないものらしい。アメリカのライターであり、コメディアンとしても活動しているサラ・クーパーさんの『男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法』(サラ・クーパー著、亜紀書房刊)は、なんだかんだで男性とうまくやっていかないとビジネスの世界で成功できない女性の現状をユーモラスかつ皮肉っぽく綴っている。

◾️女性は職場で存在感を出してはいけない!?

女性が成功の機会を求めるなんて、思っていることを声に出して言うなんて、知識を持っているなんて、男性が間違っている時にそれを指摘するなんて、よくもそんなことができるものです。男性が正しい場合でも「正しい」と言うのは失礼です。だって彼は男性なのですよ!いつも正しいに決まっています!(本書まえがきより)

男性は誇り高い生き物であり、プライドを傷つけられることを何より恐れる。だから女性が成功したかったら男性の自尊心はいかなる犠牲を払ってでも死守しなければならない、とサラさんは綴っている。もちろん冗談であり皮肉だが、男性に限らず女性だってプライドを傷つけられたくはない。だからこそ、女性は職場でまともに扱ってほしければ、自分をアピールする時でもでしゃばりすぎず、存在感を出しすぎず、つつましくというのが本書のメッセージだが、もちろんこれは現実のビジネスシーンが「まとも」ではないことへの皮肉である。

◾️女性が職場で「有能さ」を演出する方法

面接を受ける時も、会議に出る時も、会社に昇給を求める時も、いついかなる時でもつつましくいることを求められるというのはいかにも不遇だが、そんななかでも「一生懸命仕事している自分」「有能な自分」を演出するにはどうすればいいのか。

本書ではこんなユーモラスなやり方が紹介されている。
・仕事のスケジュールに私用を紛れ込ませる…スケジュールがびっしり詰まっていることで、同僚が忙しさと仕事への熱意に感心する。さらには「私用」と見せかけて、秘密のプロジェクトに関わっているのかも、他の会社の転職面接を受けているのかも、と想像させ「各所からひっぱりだこの優秀な人」を演出できる。

・社内の共有アプリケーションを常に開けたままにする…Google Docsなどの共有アプリケーションを開けておくことで、同僚からはいつでも「作業中」に見える。「常に働いているがんばり屋さん」という評価になる。

・帰宅する時にカバンに仕事を詰め込む…ノートPCをはじめ近くにある書類や付属品を片っ端から詰め込む。みんなが見ているところでこれをすることで、家に帰ってからも仕事をする熱心な人だと思ってもらえる。

女性が職場で認められたかったら、仕事熱心なところをアピールする必要があるが、同時に「そんなに大したことじゃないですよ」という態度も重要。そういう態度を示し続けることで、上司(男性)はその女性に野心がないと判断し、「勤勉さへの褒賞」として昇進させる(させてあげる)気になる、というのがその理由。「野心を出す女性は嫌われる」ということの裏返しであり、男性優位な現状への当てつけなのだが、これも残念ながらビジネスの世界のリアルなのかもしれない。

女性はいかに職場でふるまうべきか。冗談っぽく描かれているが、本書からは職場で認められるかは、結局評価者として君臨する男性にどう思われるか次第、という現状がはっきりと伝わる。

アメリカでさえそうなのだから、きっと日本もそうなのだ。本書のアドバイスに従って、男性心理を逆手にとって成功を目指すか、それとも周囲を薙ぎ倒すように成功を目指すかはその人次第だが、男性的な性質がビジネスの世界でどう現れるかという点で、本書は多くの女性にとって参考になるに違いない。

(新刊JP編集部)

男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法

男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法

【推薦】竹田ダニエルさん(Z世代ライター・研究者)
男社会がバカバカしいと感じるのは、自分だけじゃなかった──
アホらしい世の中を生き残るための爆笑処世術

この記事のライター

新刊JP編集部

新刊JP編集部

新刊JP編集部
Twitter : @sinkanjp
Facebook : sinkanjp

このライターの他の記事