だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『きんいろのしか バングラデシュの昔話』アーメド・ジャラール著

提供: 本が好き!

原作はバングラデシュの民話らしい。かもめ通信さんの書評を読んで、「これは、読みたい」と思い図書館で探し出しました。

金が大好きなグリスタンの王様……スルターン(ムスリムの君主)はとにかく金を集めまくる。ある日狩りに出たスルタンは、金色の鹿を目にする。

鹿は木の周りを踊るように跳ね、その足元からは金の砂が沸き起こっていたのです。
スルタンは家臣に鹿を生け捕る様に命じますが、鹿はあっと言う間に逃げ去ります。

スルタンは牛飼いの少年ホセンに、一館の間に鹿を掴まえてくるように命じます。
ホセンはしかたなく鹿を探しに旅に出ます。

途中罠にかかった虎の子どもや、矢で怪我をした象を助けて、鹿の住処まで案内してもらいます。
事情を知った鹿はホセンを乗せ、スルタンの下に行き命令通り踊り足元から金を産み出しますが、その踊りは絶え間なく……

バングラデシュの民話らしいですが、石井先生の解りやすい語り口と、晩年インドに憑かれた秋野先生の野趣溢れる絵が絵本の物語を引き締めます。

語り手のジャラール・アーメドはカルコタ生まれのムスリムで、留学生として大阪外語大・東大に学び、在日バングラデシュ公使を勤めている。

美しく、且つ楽しい絵本です。

(レビュー:oldman

・書評提供:書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」

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きんいろのしか バングラデシュの昔話

きんいろのしか バングラデシュの昔話

昔、グリスタンと呼ばれた南の国に、一人の王様が住んでいました。この王様が世の中で一番好きなのは、金でした。王様は国中の金を御殿に集めさせ、他の者たちにはひとかけらの金も使ってはならないとのおふれを出しました。ある日、王様が森で狩りをしていると、金色に光り輝く鹿を見つけました・・・

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