だれかに話したくなる本の話

【「本が好き!」レビュー】『ふたつの海のあいだで』カルミネ・アバーテ著

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【「本が好き!」レビュー】『ふたつの海のあいだで』カルミネ・アバーテ著

(この記事は、書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」レビュアーのぱせりさんによる書評です。

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喪われた伝説の宿と、一族の記憶。

その再生に人生を賭けた、ひとりの男。ティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に、かつて存在した《いちじくの館》。

焼失したこの宿の再建を目指す祖父と孫を中心とする数世代にわたる旅は、時に交差し、時に分かれて、荒々しくも美しい軌跡を描いてゆく――。

豊饒なイメージと響き渡るポリフォニー。イタリアの注目作家による、土地に深く根差した強靱な物語。

本が好き!
ふたつの海のあいだで

ふたつの海のあいだで

イタリア南部、ふたつの海を見下ろす小高い丘に、かつて存在した“いちじくの館”。主の血を引くジョルジョ・ベッルーシは、焼失した伝説の宿の再建を夢見ていたが、ある日突然、逮捕される。身勝手な祖父ジョルジョの言動に反発を覚えながらも、次第に心を動かされていく孫フロリアン。数世代にわたる登場人物の声により、この土地の来歴を説き明かす、スリリングな長篇小説。